「柔」のジャニーさんとは対照的 現場でもあふれ出たメリーさんの気迫

[ 2021年8月18日 05:30 ]

藤島メリー泰子名誉会長
Photo By 提供写真

 【悼む】2011年4月、東日本大震災の被災者支援のため、ジャニーズのタレントが総動員で行った募金活動の現場にメリーさんがいた。会場は東京・代々木第1体育館前の広場。タレントがお立ち台に並んで寄付を呼び掛け、列を作ったファンが箱に寄付をしていく。その様子をメリーさんは硬い表情で腕を組んだままじっと見つめていた。何かあれば、すぐに自分が飛んでいって現場を仕切る。そんな気迫が、当時83歳の女性からあふれていた。

 スポーツ紙の取材に、ユーモアたっぷりの語り口で気軽に応じたジャニーさんが「柔」のイメージだったのに対し、メリーさんは「剛」。現場にはほとんど顔を出さず、たまに姿を見かけると取材陣に緊張感が走った。

 そんなメリーさんが近藤真彦の年末ディナーショーにだけは必ず足を運んだ。我が子を隠れて見守る母親のように、決まって会場後方の扉付近に立って歌やトークを楽しんだ。記者があいさつすると「記事、よろしくね!」と満面の笑みで話していたのが忘れられない。

 その“最愛の長男”が今年4月末、事務所を退所した。メリーさんは病院でも近藤のことを気に掛けていたと聞いている。不祥事を機にした退所が残念でならない。 (文化社会部デスク・小枝功一)

続きを表示

2021年8月18日のニュース