坂東玉三郎 初春公演で華やかに30分口上「舞踊の中だけは現実をお忘れ頂きまして」

[ 2021年1月2日 15:37 ]

貴重な打ち掛けを身にまとい、新年の口上を述べる坂東玉三郎
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 歌舞伎俳優・坂東玉三郎主演の舞台「初春特別舞踊公演」が2日、大阪松竹座で開幕し、玉三郎が貴重な打掛5着を披露しながら華やかに口上を述べた。

 開演とともに、たった1人で舞台中央に座った玉三郎は「この状況下に、かく賑々しくご来場くださいまして、誠にありがたく、私もうれしく改めて熱く熱く御礼申し上げます」などとあいさつ。「何とか関西の皆さんに喜んで頂ける方法はないものか」と考え、「助六」に登場する女形の大役・揚巻、「吉田屋」夕霧の打ち掛けなどを披露した。客席からはその豪華さにため息がもれるほどだった。

 揚巻の衣装はゲタなどを合わせると40キロにも及ぶそうで玉三郎は「どうにか軽くできないものか、とやってみましたが1キロしか軽くなりませんでした」と明かして笑いを誘っていた。

 約30分にも及ぶ口上の最後は「まだまだこれから助け合っていかなければならない1年、2年になると思います。しかし、この舞踊の中だけは現実をお忘れ頂きまして、幕が閉まりましたら、また精いっぱい生きていきたいと思います」と締めくくり大きな拍手が巻き起こった。

 公演は口上と舞踊「賤の小田巻」「傾城雪吉原」で19日まで。

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2021年1月2日のニュース