古市憲寿氏 TikTok規制の動きに疑問「日本も中国のような国になっちゃう」「ちょっと間抜け」

[ 2020年7月29日 09:02 ]

フジテレビ社屋
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 社会学者の古市憲寿氏(35)が29日、フジテレビ「とくダネ」(月~金曜前8・00)に出演。若者に人気の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を念頭にした中国発アプリの利用制限の動きがあることに「大騒ぎしている政治家ってちょっと間抜け」と厳しく指摘した。

 自民党「ルール形成戦略議員連盟」会長の甘利明元経済再生担当相は28日、中国発アプリの利用制限を政府に提言する考えを示し、国会内で開かれた議連会合後、「想定しない形で個人情報や機微情報が漏れないよう、シミュレーションが必要だ」と述べた。

 中国企業が手掛けたティックトックは約15秒の動画を簡単に投稿したり視聴したりできる、スマートフォン対応の無料アプリ。YouTubeの短縮版のような側面もあり、若者世代を中心に人気となっている。ティックトックの個人情報保護方針によると、アプリ利用者の名前などのほか、利用者が許可した場合はスマートフォンの位置情報などを収集している。こうした情報が中国政府に漏れているのではないかとの懸念が指摘されている。海外ではインド政府が6月に、ほかの中国製アプリとともに使用を禁止。オーストラリアも使用禁止の検討に入った。7月に入ると、米政府も使用禁止を検討していることを明らかにした。米中関係の悪化が背景にある。一方、ティックトック側は「中国政府に利用者の情報を提供したことはなく、提供を要請されても応じるつもりはない」と情報流出を否定している。

 古市氏は「これで日本がTikTokを規制し始めたら、日本も中国のような国になっちゃうと思う」と私見。「そもそもTikTokって、大した情報を持ってない。アプリを入れたからと言って、メールとかLINEの内容が抜かれるわけでもないし、大したことは持ってない。なのに、アプリの仕組みも分からずに大騒ぎしている政治家ってちょっと間抜けに見えちゃいますね」と厳しく指摘した。

 さらに「政治家が規制っておかしな話。だったら、TikTokに代わる日本発の面白い、すごいアプリがあればいい話。それをずっと日本は作れてこなかった。この話は20年前からずっと言われてて、検索サイトもGoogle、アメリカのものを作ってますし、SNSもツイッターとかフェイスブック、インスタグラムって全部アメリカのもの。コミュニケーションはLINE、韓国のものですし、日本独自でみんなが使えるようなアプリが作れてこなかったってことの裏返し。今さらそれを政治的に排除しようっていうのはちょっと無理があるんじゃないかなと思う」と話した。

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2020年7月29日のニュース