たむけん「今がギリギリ」 焼き肉店の営業再開 復興へ向け「踏ん張り時」

[ 2020年5月19日 07:45 ]

炭火焼肉たむらは赤字覚悟で再出発
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 新型コロナウイルスの感染が、やっと減少傾向を見せている。大阪では17日に新規判明数がなく、2カ月ぶりにゼロを記録。18日も1人と、これまで市民が我慢して生活してきたことが形となって現れている。

 段階的な自粛緩和が進む中で、お笑い芸人たむらけんじ(47)がオーナーを務める焼き肉店「炭火焼肉たむら」も直営3店舗などの営業をこのほど再開した。4月7日の緊急事態宣言発令を受けて以降は店内飲食を休止。あれから1カ月以上が経つ中で決断した。

 大阪・京橋の蒲生本店ではソーシャルディスタンスを守るため各席の間にプラスチック製の仕切り板を置き、12テーブルのうち4テーブルだけを使用。体温を自動で測定する30万円の最新の機械も導入し、安全面には徹底して注意を払っている。

 「開店を心待ちにしてくれるお客さんもいてくれはって本当にありがたかった。今は席数を考えると、どれだけ稼働しても売り上げは3分の1。まずは経済を少しでも回していかないといけないとの気持ちから店を開けたんですわ」(たむら)。

 本格営業にはほど遠く、赤字覚悟の状況だが前を向く。外食産業だけでなく、ホテル業や小売業も大打撃となっていることには「あのレナウンですら破綻する。このまま放っておいたら、大阪の中小企業は一気にダメになる。売り上げがすぐに戻るとは考えられない。今がギリギリやと思います」と危機感を募らせた。

 この期間中、ステイホームの大切さもSNSを通じて何度も訴えてきた。「1カ月半しんどかったけど、皆でここまで頑張れた。気が緩むのも分かる。そこは自分がコロナにかかってるという気持ちで行動しましょう。そうすると、いろんなことが我慢できる。今が踏ん張り時ですよ」。

 焼き肉店のスタッフには、お客さんから「ここまで安全面の管理してくれるならありがたい」との言葉が届いたという。「スタッフもやりがいを感じてました」(たむら)。その一言で、もうひと踏ん張り出来る。

 こんな時だからこそ人に優しく。復興へ向けての“やせ我慢”を続けていく。(記者コラム)

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