藤井聡太七段 10代で4人目の挑戦 「形勢判断の言語化」を意識

[ 2019年9月29日 05:30 ]

第69期王将戦 挑戦者決定リーグ 最強バトルロイヤル!生き残るのは誰だ!?<8>

取材中に笑顔を見せる藤井聡太七段(撮影:吉松伸太郎)
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 史上最年少でプロ入りし、デビューから29連勝の快挙を達成して社会現象を巻き起こした藤井聡太七段(17)。対照的に王将戦では、2期連続して1次予選すら突破できなかった。今期は強豪を次々となぎ倒して初の挑戦者決定リーグ入り。「大きな収穫です。トップ棋士と6局指せるので、自分を高めていければいいと思っています」と初々しく抱負を明かした。

 10代でリーグに進出したのは過去に3人しかいない。リーグ初戦の年齢を基準にすると、1位は第6期(1956年)の加藤一二三・六段(当時)で16歳6カ月28日。藤井はあす30日の三浦弘行九段(45)戦がデビューで17歳2カ月11日だから、史上2位の年少記録だ。70年近い王将戦の歴史に大きな足跡を刻んだことになる。

 このままの成長曲線を保てば屋敷伸之九段(47)の持つタイトル戦出場最年少記録(17歳10カ月)を更新する可能性も膨らむ。しかしここから険しい道だ。リーグで待ち受ける6人は全て百戦錬磨のA級棋士。全敗してもおかしくないが「(今は)楽しみな気持ちの方が大きいですね」と屈託ない。

 プロ3年目で意識しているのが形勢判断の言語化という。「ただなんとなく…で済ましてきたので」。自宅のハイスペックパソコンにソフトを走らせ研究する一方、タイトルホルダーの一人でもある永瀬拓矢叡王(27)との練習対局を随時こなす。「対局の相手は人ですから」。バランスの取り方も工夫している。

 17歳の若武者が踏む初舞台。一局一局が注目カードとなる中で迎える三浦戦だ。初対決だった8月11日のJT杯で敗戦したことを踏まえ「作戦を練ってこられる印象があります。(今回は)それに的確に対処していきたい」と気負うことなく話した。=終わり=

 ◆藤井 聡太(ふじい・そうた)2002年(平14)7月19日生まれ、愛知県瀬戸市出身の17歳。杉本昌隆八段門下。16年10月に史上最年少の14歳2カ月でプロ入りし、17年6月に歴代最多の29連勝をデビューから達成。18年5月七段。現役最年少の高校2年生。

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