8歳勘太郎、6歳長三郎 すっかり歌舞伎役者 難役挑戦「楽まで頑張りたい」

[ 2019年8月12日 05:00 ]

元気よくポーズをとる中村勘太郎(左)と中村長三郎(撮影・郡司 修)
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 歌舞伎俳優の中村勘九郎(37)の長男勘太郎(8)、次男長三郎(6)が、東京・歌舞伎座で9日に開幕した「八月納涼歌舞伎」(27日まで)の第一部「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」で難しい役に挑んでいる。長三郎は幼くして名家の家督を継いだ鶴千代役、勘太郎は毒入りの菓子を食べて鶴千代の身代わりとなる千松役。2人そろって歌舞伎座の舞台に立つのは、2017年2月の初舞台以来、約2年半ぶり。初日を前に会見した2人は「楽しいです」と声をそろえた。

 物語の主人公は、鶴千代の乳母で千松の母親・政岡。ただ2人の役柄も物語の展開上、重要。それだけに7月に行った稽古は厳しかった。政岡を演じる叔父の七之助(36)が所作やせりふ回しを指導。父・勘九郎も同席した。普段は優しいパパも、歌舞伎のことになると表情が一変。勘太郎は「お父さんはお芝居に集中すると凄く怖い」と明かした。長三郎は、泣きながら同じせりふを100回も言わされたという。対照的に七之助については2人は「優しいです」と語った。

 会見中「伽羅先代萩」の役柄のように、勘太郎が長三郎をかばう場面もあった。長三郎が勘九郎に関する裏話をポロリと明かしてしまったところ、割って入って、報道陣に「そこはちょっとカットしてください」と要請。稽古場でいつも落ち着きなく耳などをかいている弟について「いつもかいたりしているのに、今日は全然していない。(稽古では)せりふの声も大きかった」と褒めた。

 「楽(最終日)まで頑張りたい」と意気込む2人。八月納涼歌舞伎は祖父の故中村勘三郎さんが1990年に立ち上げ、いまや歌舞伎座“夏の風物詩”となった人気企画。“令和の中村屋ブラザーズ”の奮闘に、勘三郎さんも天国で目を細めているに違いない。

 ◆中村 勘太郎(なかむら・かんたろう)本名波野七緒八(なみの・なおや)。2011年(平23)2月22日生まれの8歳。17年2月、三代目中村勘太郎を名乗り「門出(かどんで)二人桃太郎」で初舞台。

 ◆中村 長三郎(なかむら・ちょうざぶろう)本名波野哲之(なみの・のりゆき)。2013年(平25)5月22日生まれの6歳。17年2月、二代目中村長三郎を名乗り、兄勘太郎とともに初舞台。

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2019年8月12日のニュース