カラテカ矢部太郎 独特の執筆スタイルに迫る「1人でやるにはどうしたらと…」

[ 2019年4月5日 18:13 ]

MBSテレビ「OFLIFE」で漫画家として取り上げられたカラテカ・矢部太郎
Photo By 提供写真

 9日のMBSテレビ「OFLIFE」(火曜深夜1・59)は「カラテカ矢部のOFLIFE 漫画家」(前編)。結成22年目を迎えた漫才コンビ「カラテカ」のボケ担当で、漫画家としても活躍する矢部太郎(41)にスポットを当てる。

 矢部のエッセイ漫画「大家さんと僕」が異例の大ヒット。昨年4月に芸人として初、プロの漫画家以外で初となる「手塚治虫文化賞 短編賞」を受賞した。「大家さんと僕」は、矢部と矢部が住むウチの大家さんとの交流を実話に基づいて描き、ほっこりしたエピソードが話題となった。新潮社の担当編集者・武政桃永氏によれば「女性を中心に20代~80代まで、普段漫画を読まない人がファンレターを送ってくれる」そうで、単行本は「現在76万部売れていて、昨年、新潮社で一番売れた本」という。

 最初の連載は「小説新潮」で2016年にスタート。不動産屋さんから紹介された「ちょっと変わった物件」の大家さんとの偶然の出会い。38歳で初めて描く漫画作品だった。その魅力を「観察眼の細やかさと記憶力の良さ。ちょっとしたしぐさや言葉が矢部さんの目を通したからこそ面白くなっている」と武政氏。そこに大家さんを見つめる矢部の温かなまなざしがある。昨年4月から第2期の連載が「週刊新潮」に掲載された。

 毎週〆切に追われる矢部はいつも1人で独特のスタイルで執筆。「1人でやるにはどうしたらいいのかと思って、iPadで書こうと思った」。どこでも描けるといい、第1話を描いたのはケニアだった。矢部の漫画は1ページに8コマ。「短歌とか俳句みたいな型があるから、間とか生まれて来ていいじゃないかなと描き始めて思いました」。4コマ漫画にはない余韻を生み出している。

 芸人の先輩も漫画家としての矢部の活動を応援。品川庄司の庄司智春(43)は参考になりそうな国民的漫画を矢部の誕生日にプレゼント。板尾創路(55)からは連載スタート時にアドバイスをもらった。また、ほんこん(55)からも「人間として好き。自分にないもの持ってる。センスもいい」と可愛がられている。

 矢部は1977年、東京生まれ。父親は絵本作家のやべみつのり氏(76)で、矢部自身「家で絵を描いている姿を見ることが多かった。絵を描くのが楽しそうだった」と振り返る。その父から言われた言葉「上手い絵は一番面白くない」に「すごい影響を受けている。お笑いでもお芝居でも何でも基準がそこにある」という。

 第2期の連載が始まって4カ月後の昨年8月、漫画のモデルの大家さんが亡くなった。当初から1年の予定だった連載は3月で最終回を迎えた。

 ナビゲーターは黒田博樹氏(44)、VTRナレーションは手塚理美(57)。

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2019年4月5日のニュース