ピエール瀧被告保釈 異例の長さ30秒間頭下げ謝罪

[ 2019年4月5日 05:30 ]

保釈され多くの報道陣を前に頭を下げるピエール瀧被告(撮影・郡司 修)
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 コカインを摂取したとして、麻薬取締法違反の罪で起訴されたミュージシャンで俳優のピエール瀧(本名・瀧正則)被告(51)が4日、勾留先の警視庁東京湾岸署から保釈された。芸能界を揺るがした逮捕劇から24日目。「反社会的行為でご迷惑とご心配をお掛けして、誠に申し訳ございませんでした」と謝罪。約30秒間にわたり深々と頭を下げた。

 午後7時すぎ、報道陣約200人が集まった東京湾岸署の正面玄関に現れた瀧被告は黒のスーツとネクタイ姿。一礼し「このたびは、私ピエール瀧の反社会的な行為により、大変多くの皆さまにご迷惑とご心配をお掛けしてしまいました」と話した。

 謝罪を終えると深々とお辞儀。関係者とみられる男性に止められるまで約30秒に及んだ。その後迎えの車に乗り込み署を後にした。

 NHK大河ドラマ「いだてん」や映画、CMなど、出演作が相次いで打ち切りや撮り直し。賠償金が芸能界史上最高の計5億円を超える可能性もあり、芸能界に大きな打撃を与えた。

 この日の瀧被告について音楽関係者は「さまざまな配慮が見えた。芸能界に強い未練があることを浮き彫りにした」と指摘。最近10年の芸能人の保釈を振り返ると、頭を下げた時間は多くが5~15秒。30秒は極めて異例の長さだ。同関係者は「謝罪の言葉も大きな声で、反省を伝えようとしていた」と話す。

 また、保釈保証金400万円が納付されてから保釈まで約2時間かかったことを指摘。「一般的には納付から1時間もかからずに保釈される。民放各局のニュースが集中する午後6時台を避けて姿を見せた。世間を騒がせたくないと思ったのではないか」とした。

 さらにこの日は午後6時から都内で、瀧被告の逮捕により撮り直しを余儀なくされた映画「居眠り磐音」の公開直前イベントがあった。関係者は「姿を現す時間をずらし“同じ時間に”などと報道されることを避けたと考えられる」と語った。

 ただ、多額の賠償や薬物依存など多くの課題を残す瀧被告にとって、本当の意味で反省し罪を償う道は平たんではない。瀧被告が再起を望んだ時、芸能界は手を差し伸べることはあるのか。初公判は早ければ5月中にも開かれる。法曹関係者は「懲役1年6月、執行猶予3年」とみている。

 《ファン「めげるなよ」「ここからだ」》東京湾岸署の前にはファンら約20人も集まった。正面玄関から瀧被告が出てくると「めげるなよ」「ここからだ」などの声が飛んだ。瀧被告がドイツでパフォーマンスした際に着たケンタウロスのコスプレ姿のファンもおり「一から頑張れ!」と書かれたプレートを手にしていた。

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