【永瀬拓矢の感謝】将棋と鈴木大介先生に出会えて…人生は変わった

[ 2019年4月2日 21:00 ]

 【棋士の感謝】第2回 永瀬拓矢七段 撮影/MEGUMI 
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 【棋士の感謝】日々、勝負の世界に身を置く棋士たちの心の支えとなった仲間、恩師、家族、友人、恋人――。日頃伝えられない「感謝」の気持ちを5人の棋士に伺った。第2回は、6日開幕の叡王戦七番勝負の挑戦者・永瀬拓矢七段(26)に焦点をあてる。

 学校が嫌いだった。
 勉強も、習い事も、何も、人並みに出来なかった。
 でも将棋という初めて人並みにできることが見つかった。
 自分は将棋が無かったら、鈴木先生に出会わなかったら、どうなっていたか分からなかった。

 “軍曹”、“ストイック”――。永瀬を形容するいくつもの強固な異名。今春、“3度目の正直”で初タイトル獲得に燃える男のイメージとはあまりにもかけ離れた言葉の数々に、思わずたじろいだ。
 少年期を支えた磯子将棋センター席主・加山雅昭、棋士として生きる道を与えた鈴木大介、そして自らの立ち位置と現実を突きつけた天才・佐々木勇気。
 いずれも、現在の永瀬の運命を変えた重要人物と言えるだろう。
 永瀬を支えた言葉、そして彼が描く感謝と恩返しとは―。悩める少年たちへ、26歳の永瀬が送るメッセージをひもとく。

 ○…永瀬の古巣・磯子将棋センターは、今年1月に京浜急行電鉄屏風ケ浦駅前のビルに移転。取材日にも多くの棋愛家が駒音を響かせていた。席主の加山雅昭さんは、少年時代の永瀬の写真や新聞記事の切り抜きの束を眺め「“本物になる子”と分かっていたので、自分も自然に力が入った」と当時を懐かしんだ。同センター出身第1号プロの永瀬へ、「タイトル獲得1号も期待しています」とエールを送っていた。

 <第3回> 佐々木大地五段(4月3日公開予定)
 <第4回> 佐藤康光九段(4月4日公開予定)
 <最終回> 杉本昌隆八段(4月5日公開予定)

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