広島・林の意地打で本拠から逆襲だ　4位後退も2戦連続の零敗阻止するチーム唯一のタイムリー

セ・リーグ   広島1－4阪神 （ 2023年5月21日    甲子園 ）

7回、林は適時打を放つ（投手・才木）（撮影・椎名　航）
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　広島は21日、阪神に1―4で敗れ、2カード連続で負け越した。攻撃陣が敵の先発・才木に沈黙する中、林晃汰内野手（22）が2点を追う7回、チーム唯一の得点となる適時打。フォークを中前へ運び、成長ぶりをアピールした。2週間に及んだ“サミットロード”は7勝5敗で終了。勝率5割に戻り、巨人と入れ替わって4位に後退したが、23日からの本拠地6連戦で再浮上を図る。

　5年目に名誉挽回を誓う若ゴイが、敗戦の中で存在感を示した。左肩痛のデビッドソンと入れ替わって19日に昇格したばかりの林がチーム唯一の得点となる適時打。2打席凡退から修正し、成長ぶりをアピールした。

　「ずっと（タイミングが）合っていなかったので、何とか（バットに）当てた結果、センターに抜けてくれた。真っすぐは捉えられなかったけど、フォークを打てたというのはよかったと思います」

　2点を追う7回2死二塁の好機。2球で追い込まれながらも、才木が投じた3球目の外寄り低めフォークに食らいつくと、打球は中前へ転がった。2試合連続の零敗を阻止する一打。失敗しても下を向かない、強い気持ちの産物だった。

　「もう一回チャンスで回ってきたら、絶対に還す気持ちでした。1打席目がチャンスの場面だったので」

　2死二塁で打席が回った2回は150キロ台の直球に差し込まれ、最後はフォークに空振り三振。第2打席も直球とカーブの緩急で右飛に倒れていた。だが、転んでもただでは起きない。すぐさま結果に結びつけた。

　「いいヒットだったよね。追い込まれながら粘り強くね。打席の中で勝負していく姿勢が見える。試合を重ねていったら徐々に対応できてくると思う」

　新井監督は林の成長に目を細める。G7広島サミットの影響により2週間に及んだ12試合の長期ロードは、7勝5敗で終了。勝率は5割に戻り、4月23日以来の4位に後退した。それでも「選手が本当によく頑張ったと思うね。またマツダで1週間やれるので」と、再浮上を期した。

　「思い切ってできた部分もありますし、反省もあるので、しっかり来週につなげたいと思います。1軍はめっちゃ楽しいです」

　21年に10本塁打を放ちながら昨季は1軍出場なしに終わった林にとっても、マツダスタジアムでプレーするのは2年ぶり。中日、ヤクルトを迎え撃つ、あす23日からの本拠地6連戦で、主砲候補の22歳は大暴れを誓った。　（江尾　卓也）