どうだっ!ソフトB・川瀬の奇襲バント スコアボードの打率・229を見て「確率がある方はバントだな」

[ 2023年5月22日 05:01 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3-1西武 ( 2023年5月21日    ペイペイD )

5回、セーフティーバントを決めた川瀬はガッツポーズ(撮影・岡田 丈靖)
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 奇襲決まった!ソフトバンクは21日、3―1で西武との接戦を制した。2―1の5回2死満塁の好機で川瀬晃内野手(25)が絶妙なバント安打に成功。意表を突く攻撃で貴重な追加点を挙げた。クリーンアップが無安打に終わったが、2回に先制の左前適時打を放った甲斐拓也捕手(30)ら下位打線が活躍し、カード勝ち越しを決めた。

 スコアボードに示された打率・229の数字を見て「確率がある方はバントだな」と腹をくくった。2―1の5回2死満塁。打席の川瀬は思考回路をグルグルと巡らせ、カウント0―1からの2球目にドラッグバントの勝負に出た。投手の横を抜いて一、二塁間へ。ピンク色の一塁ベースへ頭から滑り込む内野安打で貴重な3点目が入ると「ピンクフルデー」で満員だったスタンドが一気に沸いた。

 「打席に入る前に森ヘッドコーチから“チャンスがあったらやっていいぞ!”と一声もらった。最初は打ちにいってストライクを取られた。本当に迷ったけど(一塁手が)下がっていたので思い切ってやろうと」

 西武の一塁手・マキノンの守備位置をベンチでつぶさに観察していた森ヘッドコーチの発案だったが、満塁でフォースプレーがあるため実行するには勇気が必要だった。それでも川瀬には勝算があった。「もしファウルになってもまだ2ストライク。自分の長所を生かして粘ればいいと思った」。外角の146キロ直球を狙い通りに一塁側へと転がした。

 4試合連続でスタメン出場し、17日の楽天戦では3安打で存在感を示した。二塁は三森や1軍復帰が間近となっている牧原大らライバルが多いが、応援してくれる家族のために譲るつもりはない。一昨年9月に結婚し、昨年4月には第1子となる長女が誕生。この日は家族が観戦に来ていて「お立ち台を見せられたのは初めて。何も分かってないと思いますけどね」と照れ笑いを浮かべていた。

 藤本監督は「見事にあの場面でやってくれた。あの1点は大きかった」と絶賛した。近藤、柳田、栗原のクリーンアップが無安打だったが、川瀬や2回に先制タイムリーを放った甲斐ら下位打線の活躍で、カード勝ち越しを決めた。「このチームはスーパースターばかりですけど、一人くらいこういう地味な選手がいてもいいと思っています」と川瀬。優勝をするチームにはこんな渋い活躍する選手が必ずいる。 (森 寛一)

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