阪神・岡田監督の読み勝ち「8番打者に右左は関係ないやんか」左に弱い加治屋をあえて投入したワケ

[ 2023年5月22日 06:30 ]

セ・リーグ   阪神4-1広島 ( 2023年5月21日    甲子園 )

好救援の加治屋(右)を笑顔で迎える才木(撮影・大森 寛明)
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 阪神・加治屋が、勢いづいてきた広島打線の流れを1球で止め、チームのデーゲーム6連勝につなげた。7回に1点差に迫られ、なお2死一塁のピンチで才木が降板。2番手でマウンドに向かい、初球148キロの外角直球で矢野を遊ゴロに打ち取った。勝敗を分けたポイントの一つだった。

 「左打者でも信頼して送り出してくれたので、抑えられて良かったです。ネクスト(次打者席)に松山さんがいたので回したらダメだと思いました。マウンドに来た梅野とも“絶対にここで勝負だ”と話し合いました」

 左投げの及川ではなく、自身が指名されたことを意気に感じた。同じ右腕の浜地でもK・ケラーでもビーズリーでもない。これで15試合連続無失点と、誰よりも好結果を重ねている中で声が掛かり、8回の岩貞、9回の岩崎にバトンを渡せたのがうれしかった。

 熱い思いをたぎらせた1球。その一方で、岡田監督は継投の意図を冷静な口ぶりで明かした。「8番打者に右左は関係ないやんか。クリーンアップとか一発長打があるとかなら考えるけど」。加治屋ではなく及川や、岩貞の前倒し起用なら広島ベンチは矢野に代打・堂林を送ってくることが考えられた。それよりも「加治屋―矢野」の勝負を選択し、広島ベンチがそのまま矢野を打席に立たせたのも読み通りになった。

 指揮官はさらに付け加える。「(次の)投手までつながれたら(代打の)松山に岩貞をいくつもりやったんや。準備はさせとったよ。でも、そこで加治屋が1球で終わったから良かったんや」。加治屋は今季、対右打者に26打数5安打(・192)、対左に15打数4安打(・267)。かなり差はあるが、岡田監督は気にせず投入した。そこで加治屋が最高の結果で応えたことに、大きな価値があった。

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