“光がひかる”ソフトB木村光 直球と7種の変化球の軌道が途中まで同じ「ピッチトンネル」で好投

[ 2023年5月2日 08:00 ]

2軍で好投を続けている木村光
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第26回は育成ドラフト3位の木村光投手(22、佛教大)に注目。春季キャンプは新人の育成選手で唯一、宮崎のB組スタート。開幕から2軍でも好投を続ける。全球種を直球と変化球の軌道が途中まで変わらない「ピッチトンネル」の技術を持つ。

 名は体を表す。育成ルーキーの木村光が2軍の開幕から好投を続けている。先月19日にタマスタ筑後であったオリックス戦は6回から2番手で登板すると、自己最速の150キロを記録するなど1回2奪三振無失点。「球の質を求めてやってきた結果だと思う。これからもこだわってやっていきたい」と意欲があふれた。小久保2軍監督は「木村(光)は一番育成の中では光っているんじゃないですか。“光がひかる”」とジョークも交えながら高く評価している。

 経験豊富な右腕だ。奈良大付では3年夏に甲子園に出場し、チームの甲子園初勝利に貢献。「甲子園に出たことで、今こうして野球を続けられている」と語る。佛教大では3度の全日本大学選手権出場を経験。4年時の昨春は抑えとして4強入りした。「半分、プロ野球選手みたいな人がたくさんいたので。勝負が楽しかったです」と腕を磨いてきた。

 4年春に右肩を痛めた影響もあり育成指名となったが、春季キャンプは育成14人の中から唯一、宮崎のB組キャンプで1カ月過ごした。1軍投手のブルペンを見る機会があり、ボールの高低やコースの投げ分けができている共通点を見つけた。「自分はまだできていなかった。意識して投げていくことが大事」と目で見て学んだ。

 最大の長所は全球種で直球と7種類ある変化球の軌道が途中まで変わらない「ピッチトンネル」ができること。大学1~2年の頃に試合で投げていた際に周囲から「直球とスライダーのフォームが全然違う」と指摘された。それから「フォームは違えど、できるだけ真っすぐに近い形から曲げたりすれば、抑えられるんじゃないか」と意識。投球フォームを撮影し、ブルペンでは打席に立ってもらって意見も聞くなど試行錯誤した。「もっと出どころが一緒のようにしたい。またまだ発展途上です」と長所を磨いていくつもりだ。

 趣味の一つがゲームで戦闘系や野球ゲームでリフレッシュするという。呼ばれ方は「光」や「キム兄」。「自分の結果も大事ですけど、一番はチームを勝たせることが大事」と頼もしく言った。“光り”続ける投球を続けていく。(杉浦 友樹)

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