23年阪神1号は板山!あるで開幕51年ぶりの生え抜きスタメン 岡田監督もうなった「一番ええ」

[ 2023年2月26日 05:15 ]

オープン戦   阪神5-2ヤクルト ( 2023年2月25日    沖縄・浦添 )

<ヤ・神>初回1死二塁、先制の2点本塁打を放ち、ナインにアゴタッチで迎えられる板山(撮影・北條 貴史)
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 中堅から左翼方向へ吹く逆風を切り裂いた。23年のオープン戦チーム1号は阪神・板山だった。プロ7年間で1軍通算わずか1本塁打。その唯一のアーチは18年5月12日の広島戦だ。会心の一発から遠ざかっていた伏兵が、豪快な輝きを放った。

 「チャンスだったので、積極的にいこうと。良いピッチャーというのは分かっていたので自分のやってきたことを出すだけだと」

 完璧なアピール弾だった。初回1死二塁で迎えた打席。開幕投手候補の小川が1ボールから投じた外角低め140キロの直球をフルスイングした。痛烈な打球は右中間の芝生席へ着弾。実にオープン戦では21年3月17日の西武戦以来となる通算2本目のアーチだ。昨秋のキャンプから「予想外にええ」と、高評価を続けてきた岡田監督をさらにうならせた。

 「(左打ちの外野手では)一番ええ。確実性というかな、いいアピールをしている。(レギュラー候補に)当然入ってくるやろ」

 今春キャンプでは大激戦区と目されていた「右翼」に加え、「左翼」の定位置争いも混沌(こんとん)としてきた。現在、左翼の大本命・ノイジーは左腰の張りで16日から別メニューで調整を続けており、実戦復帰は3月以降の予定。指揮官も「ノイジーもケガしているわけやから、全然(板山にも開幕先発の)チャンスはある。(左翼を)甲子園で守っとくのもええ」と、今後は左翼での積極起用を示唆した。

 仮に板山が左翼の定位置を奪えば夢のオーダーが実現する可能性がある。開幕スタメン全員が生え抜き選手となれば72年以来51年ぶりとなる。内外野どこでも守れるユーティリティーぶりも魅力の28歳。「ここからが本当の勝負。競争になってくる。自分ができることを一生懸命やっていきたい」。自らの“号砲”で切り開いた好機を逃すわけにはいかない。 (石崎 祥平)

 【データ】阪神が今季開幕戦の先発オーダーを全員生え抜き選手で臨めば、1972年以来51年ぶりになる。前回は中日球場で中日と対戦。3―6で敗れている。なお21年の開幕戦では3番マルテと5番サンズの外国人選手2人以外の7人が生え抜き選手のオーダー。こちらは74年開幕戦で1番テーラー以外の8人を生え抜き選手で固めて以来47年ぶりだった。

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2023年2月26日のニュース