侍・宇田川 緊急登板で昨季日本シリーズばり“火消し役”「自信につながった」

[ 2023年2月26日 05:25 ]

壮行試合   日本代表8-4ソフトバンク ( 2023年2月25日    サンマリン宮崎 )

<侍・ソ>8回を投げ終えてベンチでダルビッシュ(左)と談笑する宇田川 (撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 急な出番でも表情一つ変わらない。6―4の7回2死一、三塁の場面でマウンドに上がった宇田川は、打席の正木にオール直球勝負を挑んだ。1―1から空振りを奪うと、最後も高めで空振り三振。「宮城の球数がいったところで、心の準備はしていた」とピンチを脱した。

 最後の2球は球場表示では150キロ。テレビ中継のスピードガンでは自己最速を1キロ更新する160キロと誤表示されたが「感覚は良かったのでちょっとは出ているかなと思いましたけど、160とかは思わなかった」と冷静。昨季途中に育成から昇格し、侍ジャパンにまで抜てきされたシンデレラボーイ。選出の一因となったのも、昨年の日本シリーズで見せたピンチでの火消しぶりだった。その期待に応えた右腕は、続く8回も無安打無失点で切り抜けた。

 20日の食事会で「宇田川さんを囲む会」といじられるなど、チームに溶け込みやすい環境をつくってくれたダルビッシュには「ポジティブにいこう」と声をかけられて臨んだ。当初は9回に登板予定だったが「バタバタせずに自分の投球ができたことは、自信につながった」。どんな場面でも全力で腕を振る覚悟ができている。

 ▽宇田川の昨年日本シリーズでの好救援 10月26日の第4戦(京セラドーム)。1点リードの5回1死三塁から先発・山岡の後を受け登板。ヤクルト・山崎には得意のフォークを多投し、最後は142キロで空振り三振。続く山田は直球で追い込み、最後はフォークで見逃し三振に仕留めた。6回は2四球を与えたが、1死一、三塁のピンチからサンタナ、中村を連続三振。1回2/3を打者7人に32球、無安打無失点に抑え育成ドラフト出身選手として6人目の日本シリーズ白星を挙げた。

続きを表示

この記事のフォト

2023年2月26日のニュース