阪神・森下 開幕右翼大前進!打って守って走ってフル出場 岡田監督「良かったら使わなしょうがないやん」

[ 2023年2月19日 05:15 ]

練習試合   阪神2-2DeNA ( 2023年2月18日    沖縄・宜野座 )

3回、小幡の適時打で先制の生還を果たす森下(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)が開幕右翼へ大前進した。春季キャンプ第5クール初日の18日、開幕前哨戦でもあったDeNAとの練習試合に「7番・右翼」でフル出場。守備では初の打球処理を軽快にこなし、打撃でも1安打に加えて選球眼の良さを発揮、走塁でも二塁からの生還で右足の不安を一掃した。キャンプ拠点の沖縄・宜野座での観衆1万人はコロナ禍前の20年2月15日に記録した1万8000人以来、3年ぶり。虎党の期待に応え、走攻守すべてで躍動した。

 誰よりも森下自身が、この瞬間を待ちわびた。快晴の空に響く「7番、ライト、森下」の美声。まだ誰の足跡もない右翼へ駆ける足取りは軽かった。

 「緊張感はあった。守備から流れをつくるという意味では、守備も集中していかないといけない。より(目指している)実戦に近い形で出場できた」

 2回1死で神里、3回2死で林の飛球を難なく処理。「守備から流れを」の言葉通り3回の第1打席で見せ場をつくった。上茶谷に3球で追い込まれてからフォーク、直球、カットボールを見極め。4球目フォークはベース板の上を通る軌道でも見切り、豪快に空振りした2球目と同じ6球目カットボールにもバットを止めた。四球を取り、梅野の左前打で二進し、小幡の中前打では激走生還。右太腿肉離れの完治を印象づける全開の疾走だ。

 「体は全然問題なくプレーできた。明日(19日)も試合があるし、プロでは連戦が当たり前。ケアをして、疲れが残らないように」

 “森下劇場”の幕はまだ下りない。阪口と対した5回。2球目に内角高めカットボールをファウルした際、鈍い音を残し、バットが真っ二つに裂け、舞った。直後の3球目、真ん中やや外寄りへ来た甘いスライダーを逃さず中前へ。「直球を張りながら変化球の軌道も見て対応しようと思った。うまく打てた」。初対決の相手に、この順応性。3月31日の開幕戦で当たるDeNA・三浦監督も目を見張る。

 「思い切りのいい選手。力強いスイングをしていた。実際初めて見たから、これから見て対戦しながらアナリストからも情報をもらい対策を立てていく」

 敵将にここまで言わせるのだから、岡田監督の心中は推して知るべし。確実に近づく開幕右翼の座。「まだ気が早いよ。今は1軍の戦力を絞ってる段階やから」と言いつつ、「良かったら使わなしょうがないやん。外野はいっぱいおるけど、ええもんを使うよ」と認めた。

 呼応するように背番号1には慢心のかけらもない。「開幕のDeNAにかかわらず、まずは他球団のエース格から打ち返せる準備をしたい」。19日の韓国サムスン戦は途中出場を予定。出番はどこであれ、ひたすらに結果を残すだけ。「3・31」の先発に名を連ねることすら、通過点にするつもりだ。(八木 勇磨)

続きを表示

2023年2月19日のニュース