侍・ダルビッシュ トラックマンで数値チェックしながら初ブルペンで35球 捕手後方に若手投手陣総出

[ 2023年2月19日 05:00 ]

侍ジャパン強化合宿 ( 2023年2月18日    サンマリン宮崎 )

ブルペン投球するダルビッシュ(撮影・岡田 丈靖)
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 侍ジャパンの宮崎強化合宿2日目となった18日、ダルビッシュ有投手(36)が初めてブルペン投球を行った。1球投げるごとにタブレット端末をのぞき込み「トラックマン」の数値をチェックしながら35球。若手投手陣が総出で見守る「見学会」にも、日米通算188勝の右腕は落ち着き払った投球を続け、順調な仕上がりぶりを披露した。

 目の前に置いた椅子にはタブレット端末が立てかけられていた。ダルビッシュは1球投げてはのぞき込み、球の軌道を測る機器「トラックマン」の数値を確認。日本では珍しいが、メジャーで一般的な練習法だ。

 「回転軸の角度であったり、自分が思い描いた通りの変化が出せているかの確認。自分の感覚と球速が一致しているかどうかとか」。甲斐を相手に35球。スライダーやカーブ、中間の変化をする「スラーブ」など多彩な持ち球を投げ「思ったより球速は出ていた。サンディエゴでのいい時くらい投げられた。完成度としては結構、高いんじゃないかな」と手応えを口にした。

 数値が日米通算188勝の凄みを表した。一つの球種で変化、球速が無数にある。日本ハム時代に投手コーチだった厚沢ブルペン担当コーチは「別の人が投げたような2人分の数値が出てくる」と驚いた。一般的な上手投げ投手が出せない、横手投げのような数値も出る。「2人分の数値」が投球を極め続けた武器の一因だった。

 捕手の後方では若手投手陣が総出で見守った。佐々木朗はスマホで撮影。だが、経験豊富な大リーガーは浮足立たない。「メンタル的なトレーニングだと思って、自分の世界をつくって集中した。見られている感じは無視する。全く気にならない」。それでも若手の積極的な行動を、チームメートとして歓迎し「うれしかった」と表情を崩した。他選手との距離も縮まり「だんだん自分の性格とか分かってきてくれていると思う。引っ張る気持ちはない。日々成長できるようにやるだけ」と自然体だ。

 大リーグ所属選手は対外試合出場が大会開幕直前の6日からと制限される。それでも「ライブBP(実戦形式の投球練習)を投げられれば大丈夫だと思う。心配はしていない」と充実の調整を続ける。(神田 佑)

 ▼吉井投手コーチ(若手投手はダルビッシュを)今のところ一ファンとして見ている。(トラックマンでの確認作業は)みんなにやってほしい。

 ▼甲斐(球を受けて)今まで受けたことがないボール。どの球も素晴らしく、楽しかったというか感動しました。

 ▼山本 スライダーは昔からテレビで凄い曲がってるのを見てたので、それがあの角度から見られて、凄いしか言えないです。

 ▼高橋奎 一度生で見たかった。別格でした。真っすぐの切れに憧れるところがある。エグいですね。

 ▼大勢ツーシームが見たことないくらい曲がっていた。エグかったです。コントロールがいいし球が強い。

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