【広島・藤井ヘッド語る(1)】自主性尊重の意図「やれと言われるより、やりたいの方が入ってくる」

[ 2023年2月17日 07:01 ]

日南1次キャンプを振り返った藤井ヘッドコーチ(撮影・平嶋 理子)
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 広島の藤井彰人ヘッドコーチ(46)が17日からの沖縄2次キャンプを前に本紙のインタビューに応じた。選手に何をやらせるか…ではなく、何がやりたいのか…を選手個々に問う今春。ハードと形容された練習風景は大きく様変わりした。1月31日のミーティングで「みんなの活躍を手伝うために来た」と明言した参謀が、その意図などを明かした。(取材・構成=江尾 卓也)

 ――日南1次キャンプが終わりました。ここまでを振り返ると。

 「磯村のケガ(左ふくらはぎ筋損傷)は捕手の競争を考えると残念です。本人も残念がっていましたけど、それ以外は順調やと思いますね。新井監督が競争と言われている通り、いい緊張感の中で練習ができているのかな…と感じます」

 ――例年と比べると練習終了時間が早い。藤井ヘッドの意向だと。

 「誰に聞いたんですか(笑い)。1月31日に日南へ入り、選手の前で“自分はどうやってプロの世界で生きていくのか、何をしたいのか…ということを考えてグラウンドに来てくれ”と伝えました。もちろん、全てをレベルアップしてレギュラーを狙うと思うんですが、コーチの指示待ちではなく、自分がやりたいことをちゃんと考えて来てくれ…と」

 ――ミーティングで?

 「そうです。“僕は新井監督を胴上げするために来た。みんなの活躍を手伝うために来たと思っている”と話し、代わりに要望を伝えました。極端な話、今日は疲れているから(練習量を)落とすでもいい。コーチに“やれやれ”と言われるのではなく、今日はこれをやるぞ…と考えて来てほしい。例年が何時に終わっているのか分かりませんが、個人練習に時間を割くのはプロとしていいと思うので」

 ――やらせる練習ではなく、個の自主性を尊重してサポートする。

 「そうじゃないと面白くないですよね。これやれ…と言われるより、これをやりたい…の方が入ってくるでしょうし、身に付きやすいんじゃないかと」

 ――チームの練習は?

 「もちろん、チームプレーとしてやってもらわないといけないことはあります。やってもらわないと困ることは、指示でやってもらいます。今まで(1次キャンプ)やったら、どちらかと言えばやらせている練習の方が多いと思います。(全体練習後の)重点練習では、各担当コーチが選手の意向を聞いてくれていると思いますし、各コーチが“今日は守備をやりたい”“バッティングで引っ張るわ”もある。僕も含めて」

 ――沖縄2次キャンプではより自主性が問われる。

 「沖縄では、重点練習をなくす日をつくってくれ、と言っています。朝の早出も引っ張るんじゃなく、何日かはなし。なしでも、やりたい選手はやる。アイツ、何もやってへんで…という見方は一切しない。自分がやりたいことをやればいい」

 ――実戦が入る。

 「実戦に入ると、“ここが足りない”と感じる選手がいると思いますが、自分の時間を…というのであればコーチは付き合います。極端な話、全員が打撃をしたいと言ったら、僕らコーチ全員で投げようと。監督は分からないですけど(笑い)」

 ――なるほど。

 「キャンプを見てもらったら分かると思うんですが、みんながやる気を見せてくれています。時短になったかどうかは分かりませんが、放っておいてもやる。そういう意味では心配していないです。子ども扱いはしない。言わなアカン選手と、言わんでいいタイプを見極めるのも、仕事やと思っています」

(2)に続く

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