侍集結いきなり「ダル塾」開講「優勝を目指すだけではなく、みんなでレベルアップできれば」

[ 2023年2月17日 05:00 ]

戸郷(右)にアドバイスするダルビッシュ(撮影・尾崎 有希)
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 3月のWBCに出場する侍ジャパンは、17日から宮崎で強化合宿をスタートする。15日に一足早く現地入りし、大リーガー5人で唯一初日から参加するパドレスのダルビッシュ有投手(36)は、新たに同僚となる巨人の戸郷翔征投手(22)らと自主トレを実施。さっそくWBC使用球について助言を送るなど「ダル塾」を開講した。

 チャーター機によるド派手な宮崎入りから一夜明けた。時差ボケも関係ない。侍ジャパンの一員として、投手陣のリーダーとしての自覚が、その体を突き動かした。合宿地の敷地内にある室内練習場で開かれた「ダル塾」。そこには「ただ優勝を目指すだけではなく、みんなでレベルアップできれば。仲良くなりたいというのもある」との思いがあった。

 的確な助言を送るため、朝から戸郷の投球映像をチェックして臨んだ自主トレ。すぐに近くでキャッチボールを観察した。各選手が対応に苦しむWBC使用球での変化球の握り方を伝え、実際に自分でも投球を受けた。すぐに効果が表れた戸郷は「いい球がたくさんあったので、つい、笑顔になっちゃいました」と振り返る。ダルビッシュが前回出場で胴上げ投手となった09年の第2回大会時は8歳だった戸郷にとっては夢のような時間。ダルビッシュも「昨年、奪三振王だと思うんですけどその理由はしっかりある」と納得した。

 戸郷は前夜、ダルビッシュが開催した食事会に岡本和、大城卓と参加。初対面だったが、積極的に変化球について質問したことが発端だった。全球種の投げ方や理論を実演してもらい、WBC球について「一番大事なのは気にしないこと」と金言も受けた戸郷は「話しにくさとか全くなかった。本当にいい人」と感激しきりだった。

 大城卓は自らダルビッシュのキャッチボール相手を志願し「受けたことのない感じの球でした」と目を輝かせた。岡本和と行ったフリー打撃中は後方から熱視線も送られた。今大会の守護神候補である大勢も横に並んでキャッチボールするなど貴重な時間を過ごした。

 侍ジャパンで最年長の36歳は「全く違う年代で違う世界を見て育ってきている選手と一緒にプレーできるのは自分をアップデートできる」と言った。日本のトップ選手に知識や経験を伝え、14年ぶりの世界一に先導する。(神田 佑)

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