コミッショナーも脱帽、世界一達成へ、驚くべきやり方でお金を使い続けるパドレス

[ 2023年2月17日 10:11 ]

<WBC・ダルビッシュら練習>日本ハムの帽子をかぶって練習するダルビッシュ(撮影・尾崎 有希)
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 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」がパドレスが驚くべきやり方で資金を使い続けていると16日(日本時間17日)に報じている。

 メッツ、ヤンキースらと並び、オフのFA市場の主役となったパドレス。クリスマスまでにザンダー・ボガーツ、マット・カーペンター、ロベルト・スアレス、ニコラス・マルティネスらに総額3億6400万ドル(約488億円)のサラリーを与えた。しかしそれで終わりではなかった。2月になってからもダルビッシュ有(36)に6年総額1億800万ドル(約145億円)の契約を与え、マイケル・ワカ(31)に4年総額2600万ドル(約35億円)を保証した。

 驚くべきとは、リスクを恐れず、より長い契約を与え、結果的により多くのお金を使っていることである。当初ダルビッシュ側はこれまでの6年契約最終年(23年)の年俸1900万ドル(約25億5000万円)に加え、2年総額6000万ドル(約80億5000万円)を求めていたそうだ。これに対し、ぜいたく税の基準額を意識するパドレスは年俸の平均額(AAV/年平均の価値)を低くすることを求め、23年からの6年で平均1800万ドルとなった。結果的にダルビッシュ側が求めていたものよりも総額で3000万ドル(約40億3000万円)近く多く払うことになるが、パドレスはそれでも構わなかった。

 ワカについても、右肩の問題でこれまで4度も負傷者リストに入っており、ゆえに2月になるまでどの球団とも契約できなかったのだが、2600万ドルを保証した。ワカが結果を残せれば、チームオプションで契約は3年総額3950万ドル(約53億円)に増える。いずれにせよ年平均は高くならないようセットされている。ダルビッシュは30代後半で、ワカは右肩に不安がある。普通ならこれだけ長い契約はできない。しかしパドレスは世界一のために、リスク覚悟でリッチな契約を与える。

 今、MLBの他球団は、スモールマーケットのパドレスが、こんな資金の使い方をして大丈夫なのかと好奇の目で見ている。ピーター・サイドラーオーナーはメッツのスティーブ・コーエンオーナーほどの資産家ではないはずだ。カクタスリーグのメディアデーで、ロブ・マンフレッドコミッショナーはパドレスは異端的な存在なのか、それとも他球団のモデルと見なされるべきなのかと聞かれ、こう答えた。「彼らの選手への投資は収益を上げることにつながっていて、今年は収益分配制度で払う側に回る。ただスモールマーケットの場合は、それを継続できるのかどうかだ。再建過程に入ったらどうなるのか?とはいえ莫大な資金を投入するサイドラーさんには脱帽だ。才能ある選手たちに投資し収益を増やし、本当によくやっている」。

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2023年2月17日のニュース