ソフトB・板東 開幕ローテへ充実零封 切れる変化球で快投「フォークが低めに集まって空振り取れた」

[ 2023年2月17日 06:30 ]

紅白戦   白組1-0紅組(特別ルール) ( 2023年2月16日    宮崎・アイビー )

紅白戦で好投した板東(撮影・中村 達也
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 ソフトバンクは宮崎キャンプ第4クール初日の16日、今季2度目の紅白戦を行った。紅組の先発・板東湧梧投手(27)は最速147キロを計測し、2回1安打無失点で2三振と好投。アピールに成功した。また、B組(2軍)から昇格した田上奏大投手(20)は柳田悠岐外野手(34)から見逃し三振を奪うなど、2回1安打無失点とA組(1軍)残留へ前進した。

 プロ5年目を迎えた27歳。もう若手とは呼べない年齢になった。14日の紅白戦では26歳の藤井、25歳の大関がともに無失点の好投。それでも「空回りするのは嫌。自分のやるべきことをやろう」と板東は焦らなかった。

 今季は有原、ガンケルも加わり、この日、左脚の張りで別メニューだった和田を含めて開幕ローテーション候補が10人以上いる。昨季プロ初完封を含む自己最多3勝を挙げたとはいえ、通算5勝の右腕はまだ結果が求められる立場だ。その中で2回1安打無失点で2奪三振。「フォークが低めに集まって空振りを取れた。そこが一番良かった」と振り返った。

 柳田主将からは「男前」と呼ばれるイケメン右腕。顔だけでなく頭も切れる。オフに人生最重量となる86キロまで増やすなど、出力アップに取り組んできたが、この日はキャッチボールの段階で「体が切れていないという感じがした。寒さもあって思うようにいかないと思ったので、逆に変化球を意識した」と環境の変化に合わせた“最適解”を探した。

 正木を三ゴロに仕留めた110キロ台のカーブ、低めに落ちるフォークで巧みにバットの芯を外してアウトを重ねた。ただ、最速は147キロ止まりだった直球でも、柳町から146キロ直球で空振り三振と“成果”は示し「前回よりも低めの強さが出てきた」と確かな手応えを感じている。

 先発候補が続々と結果を残し、首脳陣もうれしい悩みだ。斎藤学投手コーチは「安定感があり何でもストライクが取れる。仕上がりつつある」と充実の内容にうなずき、藤本監督は「キャンプでちょっと遅れ気味だったけど、球はどんどん良くなってきている。当然、開幕(ローテーション)候補ですよ」と腰痛で出遅れていた右腕に合格点を与えた。

 好結果にも「残りのキャンプをしっかりやりたい」と切り替え、表情を引き締めた背番号50。ファンは春先に開幕ローテーションを勝ち取った「男前の笑顔」が満開になるのを心待ちにしている。(柳内 遼平)

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2023年2月17日のニュース