早大の「南ちゃん」アナウンスデビュー 浅倉南が名前の由来の女子マネ・藤田南さん「凄くドキドキ」

[ 2022年10月17日 05:00 ]

東京六大学野球第6週第2日   早大3-2立大 ( 2022年10月16日    神宮 )

<早大・立大> 場内アナウンスをする早大マネージャーの藤田南さん  (撮影・光山 貴大)
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 「マネジャーの南ちゃん」が声で選手を後押しした。1901年創部の早大野球部の初の女子マネジャー・藤田南さん(2年)が16日、神宮で行われた早大―立大2回戦で、初めて球場アナウンスを務めた。先輩マネージャーら周囲の支えもあり、入部当初からの念願だったリーグ戦でのアナウンスデビューを果たした。

 アナウンス席から見る神宮の景色は、いつもと少し違って見えた。神宮では、春の新人戦にあたるフレッシュトーナメントではアナウンスを経験したが、リーグ戦では初めて。緊張した。それでも、初の大仕事を終え「凄くドキドキしたんですけど、最後までやりきれて良かったです」と胸をなで下ろした。

 「南」の名は父が愛読していた人気野球漫画「タッチ」に登場するヒロイン「浅倉南」が由来。早大OBらには「南ちゃん」の愛称で親しまれているという。小学生時に早慶戦を祖父と観戦し、肩を組み母校の校歌を熱唱する姿に刺激を受け、早大でマネージャーになることが目標になった。「大学選びの基準は野球部。どこの学部というより、早稲田に入れればいいなと思っていた」と志望し、見事に現役合格。昨年4月に入部し、仕事ぶりが認められて正式にマネージャーに就任した。

 六大学野球のアナウンスは3、4年生の上級生が務めるのが通例だ。しかし、9月のある日、同期マネージャーと「アナウンスやりたいな」と話していると、4年生の先輩マネージャーに「やりたいの?」と声を掛けられた。即答した。「やりたいです」。その先輩マネージャーが他校や連盟と調整を重ね、この日のアナウンスが決まった。その後は、グラウンドから自宅までの帰り道も、小さな声で「ぶつぶつ言ってました」と練習を重ね、この日に臨んだ。

 藤田さんのアナウンスデビューを祝うかのように、試合は3―2で逆転勝ち。勝ち点を3に伸ばし、順位も2位に上げた。「同期の選手のたくさん出ていたので、選手を後押しできたかな勝手に思ってます」とはにかんだ。(田中 健人)

 ◆藤田 南(ふじた・みなみ)2002年(平14)10月12日生まれ、埼玉県出身の20歳。小学から中学までは水泳を続け、開智では野球部のマネージャーを務める。昨春に現役で早大人間科学部に進学。早大野球部では主にSNSの更新やデータ集計などの業務でサポート。最近の趣味は韓国語の勉強。 

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2022年10月17日のニュース