阪神 藤浪のポスティング容認 同学年のライバル・大谷との対戦熱望「楽しみ」「希望としては先発」

[ 2022年10月17日 14:43 ]

球団からポスティング申請を認められ会見する藤浪晋太郎8代表撮影)
Photo By 代表撮影

 阪神・藤浪晋太郎投手(28)がポスティング・システム(入札制度)を利用してメジャーリーグに挑戦することが17日、正式に決まった。この日、球団が申請を容認した。

 藤浪が、夢の実現へ向け、とうとうスタートラインに立った。昨オフから熱望してきたメジャーへの思いを、ようやく解放できる時が来た。藤浪は「まず容認してくださった球団に感謝したいですし、挑戦できるということで、胸の高鳴りと少々の不安と、いろいろあります」と熱い思いを言葉に乗せた。

 この日、取材に応じた阪神・嶌村聡球団本部長は「阪神球団として、藤浪選手のポスティング移籍に関して容認するという結論に達しました」と容認を表明。その上で「まずは本当に移籍できるように。これは申請するだけで、移籍できるかというのは、また別問題だと思いますので、そのような結果になるといいよねと。そうなった暁には本当に成績を残してこいという形」と背中を押した。加えて万一、メジャー移籍が成立しなかった場合には「それはそうですよ」と、来季契約を結ぶ方針を示した。

 藤浪の脳裏には早くも夢が広がった。「自分がメジャーリーグにいれば対戦する機会もあると思うので楽しみというか、できたらいいなと思っています」と、移籍が実現し、メジャーの舞台の立った暁には、「リアル二刀流」としてメジャーを席巻する同学年のエンゼルス・大谷翔平との対戦を熱望。また、交渉で重視する点を問われると「希望としては先発をやりたい」としつつ、「そういうところはありますけど、基本的にはあれこれはなくて。その立場の選手じゃないので。提示されたところで良い条件があれば、そこと交渉させてもらいたいと思っています」と見通しを立てた。阪神ファンに向けては「あまり後半の方は活躍できなかったですけど、せっかくの自分の人生、挑戦したいというところで。応援していただけたら、温かく見守っていただけたら、うれしいなと思います」と、こうべを垂れた。

 9月28日、スポニチ本紙などの報道により「メジャー挑戦」の意向が明らかになった。ダルビッシュ有(パドレス)、前田健太(ドジャース)らとの合同自主トレがきっかけとなり、憧れを抱いた。同学年の大谷翔平(エンゼルス)、鈴木誠也(カブス)らの活躍からは、刺激も受けた。加えて公私における武豊(競馬)、大野将平(柔道)、西村拳(空手)ら世界を舞台に戦う他競技のトップアスリートたちとの交流が「世界」を意識させてくれた。そして、ようやく、大海にこぎ出す権利をえた。

 大阪桐蔭高のエースとして12年の甲子園大会で春夏連覇を達成。同年ドラフト1位で阪神に入団し、今季まで在籍10年間で通算189試合57勝54敗11ホールド、防御率3・41、通算994回1/3、1011奪三振をマークした。NPB歴代8位のスピードで、同史上154人目の1000奪三振に到達。キャリアハイの14勝を挙げた15年には最多奪三振のタイトルも獲得した。侍ジャパンの一員として17年のWBCにも出場した。

 大谷より4センチ高い1メートル97の長身から最速162キロの直球、常時140キロ台の高速スプリットとカットボールなどを繰り出す。先発、救援両面での起用にも耐える。スケール面では「投手・大谷」に勝るとも劣らない。日本屈指の豪腕「FUJINAMI」が、満を持して、夢の舞台への歩みを進める。

 今オフのポスティング申請手続き期間は11月1日から12月15日までの45日間。申請後、メジャー30球団に通知された翌日から、移籍に向けた交渉が可能となる。

続きを表示

2022年10月17日のニュース