阪神岡田新監督“アレ”奪回「当然、狙える」 理想の「サラッと勝つ野球」実現へ意欲

[ 2022年10月17日 05:15 ]

阪神監督就任会見を終え笑顔でポーズをとる岡田監督(撮影・大森 寛明)
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 「アレ」奪回宣言!阪神の第35代監督に決まった岡田彰布新監督(64)が16日、大阪市内で就任会見に臨んだ。優勝の2文字を「アレ」と表現し「当然、狙える」と強調。今季は打順も守備位置も流動的だった大山悠輔内野手(27)を一塁、佐藤輝明内野手(23)を三塁に固定することを明言し、両大砲を中軸に据えた攻撃陣と、投手を含めた守備力強化で、自身が指揮した05年以来の頂点を目指す。2年契約と見られ、推定年俸1億円。背番号は前回監督時と同じ「80」になる方向だ。

 就任会見から「岡田節」全開だった。現場復帰はオリックス監督を退任した12年以来となるが、評論家として阪神の戦いはずっと見てきた。現状の戦力も完全に把握した上で、チーム悲願の「アレ」奪回を宣言した。

 「“優勝します”とは僕はよう言わないですけど。ずっと優勝は“アレ”としか言っていなかったんで。はっきり優勝しますとかよう言わないですけど、まあね、シーズン終わる頃には楽しみにしてもらったらいいと思います。期待感はありますけどね、当然」

 思い出されるのがオリックス監督時代の10年。交流戦優勝が目前となった中、選手に意識させないために「優勝」を禁句に。「アレ」と言い換えて戦い、交流戦Vを飾った。主語を省いたり、代名詞を多用する独特の語り口は健在。自身が率いた05年以来の「アレ」を果たすために再びお声がかかったのは、もちろん分かっている。

 「6位、6位という(暗黒)時代もあったんで。そういうことからしたら当然、狙えるんじゃないかな。(目指すのは)勝てるチームでしょ。いつの間にか勝っている。勝とうと意識するのは良くないと思うんですけど、9回終わったら、勝っていた。サラッと勝っていた、みたいな」

 すでに、頭の中では勝つための構想がどんどん練られている。根幹となるのが、今季はそれぞれが内外野両方を守ったり、打順も変動した大山、佐藤輝の「完全固定」だ。

 「大山と佐藤輝が中心になってクリーンアップを打って、不動のポジションでチーム引っ張っていかないと。そういうチーム。理想は、大山がファーストで佐藤がサード。全試合、代えないですよ。代走も送らない」

 チームの武器である投手力は維持しながら「(岡田野球は)ずっと守りの野球」と、課題の守備力強化にも全力を注ぐ。64歳は、阪神新監督の就任時では史上最高齢。「年齢的にも長くできないと思いますけど、最後はタイガースのためにね、ユニホームを着ようという気持ちになりました」。矢野監督時代とはまるで違う顔を持つ第2次岡田政権。百戦錬磨の新監督が来季、セ・リーグの台風の目となりそうだ。(山添 晴治)

 ◇岡田 彰布(おかだ・あきのぶ)1957年(昭32)11月25日生まれ、大阪府出身の64歳。北陽(現関大北陽)から早大を経て79年ドラフト1位で阪神入り。強打の内野手として80年に新人王。85年には球団初の日本一に貢献。94年にオリックスへ移籍し、95年引退。通算成績は1639試合で打率・277、247本塁打、836打点。オリックス、阪神のコーチを経て04年に阪神監督就任。05年にリーグ優勝を果たし、08年に辞任。10~12年はオリックス監督を務めた。

 《10年オリ指揮官時代“考案”グッズも発売》▽岡田監督の「アレ」 オリックス監督時代の10年にチーム初の交流戦優勝。岡田監督は阪神監督時代の08年に土壇場でリーグ優勝を逃した苦い経験から、選手に意識させないよう、期間中は「優勝」を「アレ」と言い換え、6月13日の決定まで封印。記念グッズで「アレしてもうた」とプリントされたTシャツとタオルが発売されるほどの流行語!?になった。

《阪神史上最年長新監督》岡田監督は11月に65歳となり、復帰1年目の来季は66歳シーズンとなる。阪神の新監督としては、1999年の野村克也監督(64歳シーズン)を上回り球団最年長。新監督に限らなくても、2001年に66歳シーズンだった野村監督と並んで球団最年長監督となる。なお、プロ野球の最年長監督は、09年に74歳シーズンで楽天の指揮を執った野村監督。

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