広島・新井新監督は“男前”が支える!ヘッドコーチに前阪神・藤井彰人氏 同じ学年&同じ野球観で厚い信頼

[ 2022年10月17日 05:00 ]

阪神時代の新井(右)と藤井

 広島が、新井貴浩新監督(45)を支える来季のヘッドコーチとして阪神で1軍バッテリーコーチを務めた藤井彰人氏(46)を招へいすることが16日、分かった。同氏は既に今季限りで阪神を退団しており、受諾するのは確実だ。視野が広く同じ野球観を持つ藤井氏への新井監督の信頼は厚く、参謀としてチーム再建への手腕発揮に期待がかかる。

 来季監督にOBで本紙評論家の新井貴浩氏を迎えた広島が、参謀役のヘッドコーチとして今季まで阪神1軍バッテリーコーチを務めた藤井彰人氏を招へいすることが分かった。阪神はCSファイナルステージ敗退を受け、前日15日に同氏の退団を発表。就任への支障はなくなり、要請を受諾するのは確実だ。

 藤井氏は10年オフ、出場機会を求めて国内FA権を行使し、楽天から阪神へ移籍。甲子園であった11年7月2日のDeNA戦で移籍後初本塁打を放った際には、ともにお立ち台に上がった現役時代の新井監督が「さすが男前!」と持ち上げ、同氏も笑顔で「顔しかとりえがないので」と応じた。以降は“男前キャラ”が定着した。

 温厚で明るい性格。2人は同学年で移籍組という共通点もあって親しく、とりわけ新井監督が阪神在籍最終年となった14年は、遠征先で酒食を共にする機会が多かった。新監督は当時から同氏を「視野が広く、僕と野球観が同じ」と評し、厚い信頼を寄せていた。

 現役時代の藤井氏は巧みなリードに定評があった。ワンバウンドの球に対しては体で止めるのではなく、ミットで「捕る」技術に優れ、走者に進塁を許さない捕手だった。

 15年に現役を引退。16年からBCリーグ・福井に派遣されて指導者の道に進み、同年オフに復帰した阪神では2軍育成、同バッテリー、1軍バッテリーコーチを歴任した。中でも19年からの1軍コーチ時代には人柄の良さで選手に慕われ、捕手陣の好成績(盗塁阻止率、捕逸、暴投など)につなげた。

 広島にとって、捕手陣の強化は喫緊の課題だ。許した86盗塁はリーグ最多で、阻止率・204はリーグ断トツのワースト。藤井氏には専門分野の立て直しはもちろん、采配経験のない新井監督のそばに陣取り、ベンチワークなどで的確な助言が求められる。新監督は、攻守両面で同氏を頼りにしていると伝わる。

 藤井氏の入閣は近く正式発表される。

 ◇藤井 彰人(ふじい・あきひと)1976年(昭51)6月18日生まれ、大阪府出身の46歳。近大付、近大を経て98年ドラフト2位で近鉄入り。04年オフに分配ドラフトで楽天へ移籍し正捕手に定着。10年オフに阪神へFA移籍し15年引退。通算成績は1073試合で打率.236、10本塁打、173打点。引退後はBC・福井、阪神でコーチを歴任。右投げ右打ち。

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