ドジャース惨敗 MLB機構が公式戦勝者が勝つようにデザインも、ポストシーズン負けてしまうのはなぜ?

[ 2022年10月17日 10:22 ]

パドレスに敗れたドジャース(AP)
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 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が地区シリーズで、公式戦87勝のフィリーズが101勝のブレーブスを、89勝のパドレスが111勝のドジャーズをそれぞれ倒し、ナ・リーグ優勝決定シリーズに勝ち進んだことについて検証している。

 MLBは公式戦162試合の価値を重視しているから、ポストシーズンでも地区優勝チームが勝ち進めるようデザインしている。今季から採用された新しいフォーマットでは第1、2シードチーム(ドジャース、ブレーブス)は公式戦のあと5日間も休めて、地区シリーズを本拠地スタートで迎えられる。一方で下位チームはその前にワイルドカードシリーズを勝ち上がらねばならない。ゆえにフィリーズは地区シリーズの第1戦は3番手の先発投手を起用、パドレスも4番手の先発だった。しかしながらハンディキャップにもかかわらず、結果はともに3勝1敗の番狂わせ。勢いの差があったのではと聞くと、勝者のパドレスのボブ・メルビン監督はこう語った。

 「ワイルドカードのチームは公式戦の終盤から既にプレーオフモードだし、ポストシーズンに出られたということは、チームとしてうまくプレーできているし、自信も持っているということ。その上、下のシードだから、プレーオフでも勝たないといけないというプレッシャーも少ない」。

 敗者のブレーブスのマット・オルソン一塁手は「相手は調子に乗っているし、地区シリーズでもその勢いのままプレーしていた。うちは調子に乗る前に終わった」と話している。

 ドジャースでベンチ入りした13人の投手は、アンドリュー・フリードマン編成部長下の8年間で最強の布陣と言われ、公式戦の111勝に貢献した。しかし5試合の地区シリーズでは、その層の厚さは十分に生かせない。89勝のパドレスはドジャースより層は薄くても、ダルビッシュ有、ジョシュ・ヘイダー、ロベルト・スアレスらの活躍で競り勝った。ちなみに95年にMLBにワイルドカードのシステムが持ち込まれて以来、アンダードッグのチームが勝ち進むケースは珍しくない。14年のワールドシリーズはジャイアンツ対ロイヤルズで、ワイルドカード同士の対戦だった。

 プロフットボールのNFLやバスケットボールのNBAでは、公式戦で強かったチームがポストシーズンも予想通り勝ち進むことが多い。MLBもそれが望ましいと考え、工夫しているのだが、思うような結果にはならない。今年のナ・リーグ優勝決定シリーズは第5シード対第6シードの対戦となり、第6シードのフィリーズは1年前ならポストシーズンにも出られていなかった。

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2022年10月17日のニュース