ソフトB・奥村 プロ初先発で堂々5回1失点 勝ち星つかずも藤本監督「またチャンスある」

[ 2022年8月30日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2―3ロッテ ( 2022年8月29日    京セラD )

<ソ・ロ>ソフトバンクの先発・奥村(撮影・岸 良祐) 
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 ソフトバンクは29日、ロッテに2―3で逆転負けした。今季初登板、プロ初先発の奥村政稔投手(30)は初回に1点の先制を許したが、2回以降は立ち直り、5回4安打1失点と好投。勝ち投手の権利を得て降板するも救援陣が打たれ、念願のプロ初勝利には届かなかった。チームの順位は首位で変わらないが、2位・西武とゲーム差なしとなった。

 悔しさとともに確かな手応えも得たマウンドだった。奥村はプロ4年目で初めて先発を任され、5回4安打1失点。「低め、低めを意識しました。やりたいことはできましたかね」と振り返り、「まだいきたいなという気持ちもあった」と正直な思いも吐露した。

 20年9月19日の楽天戦以来、約2年ぶりの1軍の舞台。「投げだしたらそうでもなかった」。強気が身上の右腕は硬さとは無縁だったが、初回1死後につかまった。高部に高めの直球を右翼席に運ばれた。いきなり先制ソロを浴びたが、以降は粘り抜いた。

 2、3回を3人ずつで片づけ、4回2死一、三塁のピンチでは安田をカーブで二ゴロに抑えた。5回無死一塁では佐藤都をフォークで一ゴロ併殺に仕留め、小川を直球で遊ゴロに抑える。勝利投手の権利を持って降板したが、甲斐野が6回に同点とされ、2―2の7回には津森が勝ち越しを許し、自身のプロ初勝利が消えただけでなくチームも敗れた。

 課題の制球力アップのため、動作解析に取り組んできた。「関節一つからデータを全部出して、下半身の股関節、可動域、柔軟性など強さが足りない部分を探しました」。コントロールが安定している森に自主トレで弟子入りし、今季は2軍戦で先発を続けて15試合で6勝3敗、防御率3・14。今季の開幕前には「誰が見ても分かる。ダメなら終わり」と覚悟を口にしていたが、「首の皮一枚つながったかなという感じですね」と笑った。

 藤本監督は「しんどい中でよく頑張ったね。勝ちをつけてあげたかったけど。またチャンスあるんじゃないんですか」と奥村の好投を評価した。先発陣は和田が疲労蓄積、武田が右肘の張りでともに登録抹消され、9月には11連戦がある。30歳右腕にはまだチャンスがある。(井上 満夫)

 ◇奥村 政稔(おくむら・まさと)1992年(平4)8月14日生まれ、大分県出身の30歳。中津商から九州国際大に進学。大学中退後に三菱重工長崎、チーム統合で三菱日立パワーシステムズへ。2017年都市対抗では1回戦と準々決勝で白星を挙げて4強入りに貢献。18年ドラフト7位でソフトバンク入団。1メートル75、77キロ。右投げ右打ち。

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