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新生・日本新薬、2年前の都市対抗4強超え照準 フィジカル強化&食生活改善で長打力アップ

[ 2022年7月4日 21:40 ]

松村監督(右4人目)の音頭でバンザする日本新薬ナイン

 第93回都市対抗野球大会は7月18日から12日間、東京ドームで開催される。近畿地区から2年ぶり38度目の出場を決めた日本新薬は、2年前の4強超えを狙う。伝統の堅守だけでなく、今季は長打力が新たな持ち味として加わった。

 「昨年、予選で敗退したことで、良い意味でチームに変化をもたらしました。他のチームと同じことをしていても勝てない。“1回チームを壊そう”と」

 大畑建人主将は復活までの道のりを、そう表現した。昨年は打線が振るわず、2次予選は3試合で5点しか奪えず全敗。連続出場は7年で途切れた。松村聡監督とも会談し、新チーム結成からはチーム全体としてフィジカルの強化に着手。オフ期間中の全体練習は週1回にとどめ、隔日で技術練習とウエートトレーニングに交互に取り組んだ。念頭にあったのは、個々のレベルアップ。トレーナーから与えられたメニューを漫然とこなすだけでなく、各選手が自らの強化部位を把握した上で新たなトレーニング法を取り入れた。

 食生活も改善した。寮生はもちろん、既婚者も必ず朝食を摂ることを徹底。チーム付きの栄養士にも相談し、アップ終了後にはバナナ、BCAA(必須アミノ酸)、プロテイン、ノック終了後に昼食、バッティングの合間にはおにぎりとプロテインなど、補食する環境をつくりあげた。

 この二つがベースになったからこそ、臨時コーチを務める宮本慎也氏(野球評論家)が指導する「ヘッドを返さないスイング軌道」をモノにすることができた。昨季は公式戦22試合で6本塁打だったのが、3月のスポニチ大会では福永裕基が3本塁打するなど7本塁打をマーク。わずか3試合で、昨年の数字を上回った。長打率に目を向けても昨季の公式戦で・293だったのに対し、同・395にアップ。2次予選でもパナソニック戦では若林将平が決勝3点三塁打、日本生命戦では浜田竜之祐がサヨナラ2ランと、ここ一番の長打で試合を決めた。

 その一方で、長年にわたり受け継がれてきた、バッテリーを中心とした鉄壁の守備陣も健在だった。2次予選6試合でわずか7失点。3試合を零封で乗り切った。特に第4代表決定戦の日本生命戦ではファインプレーを連発。球際の強さを存分に発揮して、息詰まる投手戦を制した。就任3年目を迎えた松村聡監督は言う。

 「打てない時はしっかり守る。1球に対する執着心と言いますが、日頃の練習から打撃にしても守備にしても、1球にこだわる、1球目を大切にするという取り組みをしてきました」

 天理(奈良)、同大を経て、1996年に入社。当時は約250ほどあった企業チームが、今年度に日本野球連盟に加盟するチームは86まで減少した。「我々の時代とは違って、野球を続けたくとも続けられない学生はたくさんいる。だからこそ、選手に対しては1球を疎かにすることのないよう、うるさく言っています」。私生活が野球につながる、というのが指導方針。スキのない日常を、指導者以下全員が心がけている。

 専用球場を持たず、大会2週間前までは午前中、社業に励む。野球漬けではなく、創意工夫のもとに築き上げてきた伝統もまた、チームの強みだ。初戦の対戦相手は日立製作所に決定(7月21日)。大畑は2年ぶりの本戦へ向け「生き生きとプレーする姿を、皆さんに見ていただきたい。東京ドームで試合をできる喜びを感じながら、目標は5連勝して日本一です」と強い決意を明かした。

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