ノーノー惜しい!1安打完封 ソフトB石川“スクランブル登板”でコロナ禍チーム救い「ほっとしています」

[ 2022年7月4日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3―0西武 ( 2022年7月3日    ベルーナD )

<西・ソ>完封勝利の石川(中央)はチームメートと勝利を喜び合う(撮影・尾崎 有希)
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 ソフトバンクの石川柊太投手(30)が3日、西武戦に先発し9回1安打で2年ぶり2度目の完封勝利を収めた。4月26日の同戦以来の白星で今季3勝目。三塁を踏ませない圧巻の投球だった。周東佑京内野手(26)が先制の3号ソロを含む2打点で援護した。チームは新型コロナウイルス感染拡大による1軍活動休止から再出発後、2連勝。現在も自主隔離選手が8人いる中で、連日底力を見せた。

 118球目。石川自慢のパワーカーブは縦に変化し公式戦で初めてバッテリーを組んだ海野のミットに収まった。9回2死一塁で31人目の打者、山川を空振り三振。見事な1安打完封で、4月26日の西武戦以来の今季3勝目を挙げた。

 「いろいろとチーム状況とか大変な中で、スクランブルな感じの登板だったんですけど、勝ちに結びついた。ほっとしています」とお立ち台で笑った。

 先発予定だった6月29日のロッテ戦はチームに新型コロナウイルス陽性者が相次いだため延期。一度は予告先発された1日の西武戦も延期され、登板は2度流れた。6月27日にブルペン投球をして以来のマウンドで気迫の8三振。三塁を踏ませなかった。

 20年8月1日にプロ初完投初完封。このときも相手は西武。被安打も同じ「1」だった。今回もプランは一緒。「常に完全試合を狙いますし、そこから逆算。初安打まではノーノー(狙い)、そこからは完封(狙い)みたいな。気持ちを切らさず投げられました」とクールに振り返った。

 2回1死で栗山、外崎に連続四球で完全試合は早々に消えたが、中村をフォークで中飛、オグレディをパワーカーブで遊飛。唯一といえる1死一、二塁のピンチを切り抜けた。

 そこからスイスイと6回まで無安打投球。7回先頭、81球目。21人目の森に初球を左前に運ばれ、プロ野球今季5人目のノーヒットノーランも消えた。ブルペンではモイネロが投球練習を続けていたが「感情論だけでなく、自分の中でいける」と首脳陣に完投を直訴し9回を投げきった。

 主力8人の自主隔離が続く中で2連勝。2日は9回2死から中村晃が逆転V打。この日は石川が完封と、日替わりヒーローが苦境を助けている。藤本監督も実にご機嫌。先発投手陣を称えた。

 「石川がゼロで抑えてくれたんで負けることはない。いいピッチングしてくれましたよ。これで1人除いて全員完封。火が付いて完封してくれるでしょ」。ここまで大関が2度、東浜、レイ、石川が完封を達成。次カードの楽天戦の2戦目、7日に千賀が右肘の張りから復帰予定。エースに七夕の夜の今季初完封を願った。(井上 満夫)

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