亀山つとむ氏 阪神・糸原仕上がり順調も二遊間争いで若手のアピール足りん オープン戦で本気見せろ

[ 2022年2月22日 05:30 ]

<阪神春季キャンプ>守備練習で軽快な動きを見る糸原(撮影・後藤 大輝) 
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 【亀山つとむ CHECK】キャンプ終盤に入って、6年目を迎えた阪神・糸原がフルメニューをこなした。フリー打撃でも最後にスタンドへ放り込み、仕上がりを印象づけたのはチームにとって明るい材料だ。どの打順でもしっかりこなせるだけに、欠かすことはできない選手だ。

 だが、一方で糸原を脅かすだけの若手の台頭がキャンプにはないのが現実としてある。1軍経験のある木浪に小幡も、アピールとしては物足りない。二遊間では熊谷の動きが目につく程度。ポジション争いが過熱するところまでには至っていない。下肢のコンディション不良で2軍調整中の中野の復帰待ちという状況では寂しい。

 誰もが知っている。阪神は4年連続で12球団ワーストの失策を記録した。昨年、優勝をあと一歩で逃したのも守りのミスが響いた。本気で優勝を目指すなら一にも二にも、守備力強化が最重要課題。センターラインが安定しないことには、優勝は近づいてこない。

 この日は甲子園の大歓声を想定して、声を出さずに連係していく「サイレントノック」が行われた。声が通らないなら、身ぶり手ぶりで連係を図ることが必要だが、準備して動くシーンは期待したほどなく、想定内の動きに終始した。実戦だと相手は揺さぶってくる、動いてくる。それに対応することが守備力。阪神の先発陣はゴロを打たせるタイプが中心。だからこそ取れるアウトをしっかり取らなければならない。

 オープン戦で若手がどれだけ本気でポジションに挑むか。「弱守」返上はそこにかかっている。(スポニチ本紙評論家)

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