中村武志氏がDeNA・三浦監督直撃!「ズバリ優勝はDeNA」横浜時代のバッテリー対談

[ 2022年2月22日 05:30 ]

三浦監督(右)と笑顔でグータッチする中村氏(撮影・村上 大輔)
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 番長、優勝予想に応えてくれ!昨年まで中日のバッテリーコーチを務め、今年からスポニチ本紙評論家に就任した中村武志氏(54)が沖縄・宜野湾のDeNAキャンプを訪れ、三浦大輔監督(48)に直撃インタビューを行った。中村氏の横浜時代の02~04年にバッテリーを組んだ間柄。昨年最下位のDeNAを優勝候補の本命に挙げ、三浦監督も98年以来24年ぶりの優勝に向け、今年のスローガンである「横浜反撃」を誓った。(構成・大木 穂高)

 中村氏(以下、中) おっ、監督、久しぶりだね。元気そうじゃないか。去年は1年目で不安があったと思うけど。

 三浦監督(以下、三) そうですね。(開幕から)外国人がいなくて、何とかやろうと考えていたんですけどね。思い描いていたことがやってみて、うまくいかないことの方が多く、苦しいシーズンでした。

 中 今年は外国人も来ているし、やれる準備は去年に比べできている。

 三 はい。去年課題が出たので、キャンプで取り組んでいる。今年は勝負できると思っている。

 中 ズバリ言うよ。俺は絶対、優勝はDeNAを一番に挙げるからね。去年から思っていたんだ。

 三 おおっ、去年から。ありがとうございます!

 中 もちろん、正直そういうメンバーがいる。今年のセ・リーグはだんご。本当にチャンスはあるよ。スローガン通り、「横浜反撃」でね。

 三 本当にそうですよ。去年あれだけ悔しい思いをした。選手にも、「キャンプも対外試合も今年は違うんだというところを最初から見せていこう」と言っている。それを見せ続けて、シーズンに入っていく。

 中 コーチ陣も気心の知れた強い時代のOBが戻ってきた。勢いを感じる。

 三 1998年の優勝メンバーだった先輩方が来てくれて、新しい風を吹かせてくれていますよ。他球団で経験が豊富ですし、隆さん(斎藤チーフ投手コーチ)はメジャーの経験もある。

 中 そこに俺がいないのはおかしいな(笑い)。でも、去年は敵として見ていて、ちょっと不安なのは捕手が固定できていなかったことと、バッテリーかな。捕手は固定したい?

 三 昔と違って全試合スタメンマスクの時代ではないし、そこまでは求めていないが、100試合近くは出場できる捕手が出てこないと。軸になる捕手は欲しい。

 中 捕手は5年目の山本選手、野手では3年目の森選手がいいね。足が速くて、横浜っぽい選手と思っていた。若い選手は我慢して使っていく?

 三 我慢もどこまで、というのもある。森のスピードはチームトップクラスで、打撃も去年の後半は良かった。キャンプでもいいものを見せている。

 中 伝統的に打つチーム。いい悩みの打線が組める。

 三 去年も3割打者はいたけど、つながりが…。キャンプではそこを重点的に取り組んでいる。

 中 投手陣は今キャンプ序盤で直球だけを投げさせていたね。今の野球はツーシーム、カットボールなど小さい変化にいきがちだけど、直球あっての変化球。球速ではなく、切れだよね。

 三 僕は速くなかったけど、原点の直球があってのカーブ、カットボールだった。直球がストライクに入っていなかったら、通用しなかった。原点を再確認すること。シーズンに入っても、それは忘れずにね。

 中 ところで監督は俺との思い出って、どんな感じ?

 三 野球以外の方が多くて。田代さん(現巡回打撃コーチ)と武志さんが冗談言うのを、ずっと横で楽しく見ていました。

 中 確か02年の4月、神宮球場だったね。俺と初めてバッテリーを組んだ時、完封したんだよ。“武志さんのおかげです”って、夜、ごちそうしてくれた。それっきりだけど(笑い)。

 三 武志さんには、安心して投げられましたよ。サイン通りにきっちり投げれば、大丈夫って。

 中 監督はとにかくカーブ。ポンとカーブが決まれば、もういける。そう、リードしていたな。

 三 (昨年は)敵のコーチとして捕手にいいキャッチングをさせているし、配球も良かった。

 中 本当か?だったら、DeNAのコーチに呼ばれているでしょ?

 三 いや、まあ、そこは…。

 中 「横浜反撃」。本当にいいスローガンだね。スローガン通りにやってください。

 三 はい、反撃の年にします。

 中 じゃあ、俺も反撃します!

 三 アッハッハ。ところで武志さんと、こんなに真面目な話するの、初めてじゃないですか?

 中 ちょっと待ってよ。俺、今年解説者をするから、こういう話もするよ。DeNA戦のテレビ解説、多いと思うから。厳しめにいくよ!

 三 はい、よろしくお願いします。

 《取材後記》大輔は本当にいい男。先輩を立てる、気遣いのできる後輩だよ。コロナ下のキャンプとあって、当初の予定はリモートによる対談。時間も夕方の練習終わりだったけど、対面でしてくれた。しかも、先輩を待たせたらいけないと、昼すぎにはやってくれた。夜には、わざわざ電話もくれてね。

 久々に会ったけど、いい表情をしていた。目つきが違うし、気合が入っている。言葉からも手応えを感じ取れたね。去年、最下位で相当悔しい思いをしたこともあるだろう。

 現役時代も普段はおとなしいけど、マウンドに上がると闘争心のあるピッチャーだった。スピードのある方ではなかったけど、逃げずに強気に打者に向かっていく。だから、エースまで上り詰めた。このキャンプでも投手陣に直球を磨かせ、「直球あっての変化球」ということを伝えている。シーズンでも、優勝候補に挙げた先輩を立ててちょうだい。(スポニチ本紙評論家)

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