阪神・佐藤輝 オリックス・吉田正に“弟子入り” 合同自主トレで柔軟性の大切さ学んだ

[ 2022年1月23日 05:30 ]

オリックス・吉田正と合同自主トレを行った阪神・佐藤輝

 阪神の佐藤輝明内野手(22)が22日、オリックスの吉田正尚外野手(28)と合同自主トレを行ったことを明かした。近大の先輩で同僚の糸井が橋渡し役となり、関西某所で2日間の“超人教室”が実現。長打力だけでなく、昨季まで2年連続で首位打者を獲得している万能打者からは、柔軟性の重要性を学ぶなど虎の怪物が完全無欠の大砲へ、大きな収穫を手にした。

 1秒たりとも無駄にできない時間だった。佐藤輝が強化練習を行う鳴尾浜を2日間だけ離れて向かったのは、球界屈指のコンプリートヒッターのもとだった。糸井が仲介する形で前日21日までオリックス・吉田正と自主トレを敢行していた。

 「バッティングもそうですけどトレーニングとかもいろいろ教えてもらったので、すごい勉強になりました」

 長距離砲のイメージが強かった先輩からまず感じ取ったのは「剛」ではなく「柔」で「柔らかさとか、すごい体を大きく使って打っている」と驚かされた。さらに、目からうろこだったのは、打撃に直結する部位のトレーニング。重量系ではなく、チューブなどを使った柔軟性を向上させるメニューの数々を教えられ、実践した。

 「(打撃の)実際の動きにつなげるトレーニングをやった。どこを意識するとか、こういうところにつなげていくとかも聞けた。胸郭、胸骨、胸椎を柔らかく使ったりとか、股関節のトレーニングとか。そういう動きの中でやるトレーニングを勉強しました」

 吉田正は19年に29本塁打を放つなどパワーを見せつける一方で4年連続3割(規定打席以上)、2年連続首位打者と高打率もマークしている。フルスイングとコンタクトを両立する「究極の打者」の礎に触れた。

 1年目は24本塁打、打率・238だった佐藤輝が自身の「伸びしろ」、歩む「道筋」を自覚するには十分すぎるお手本。陸上男子ハンマー投げ04年アテネ五輪金メダリストで現スポーツ庁長官の室伏広治氏に弟子入りして理論を学ぶなど、吉田正が向上心と探究心で築き上げてきた土台だけに虎の怪物も腹落ちした。4スタンス理論でも吉田正とは同じ「B1」だけに「(同タイプで)取り入れることができる動きは多いと思う」とうなずいた。

 年末には開設したインスタグラムで糸井、吉田正とのスリーショットを投稿。今回も3人で合同自主トレを行い「超人軍団」の一員として存在感を高めつつあるが「僕はまだまだ。早く結果で追いつきたい」と、まずはその背中を追いかける。

 トレーニング法など“枝葉”が増えた一方で佐藤輝明の“幹”もあらためて分かった。「強く振ることはホームラン打つのも、率を残すのも必要かなと思う。そこは変えずにやっていきたい」。刺激的な時間が背番号8を覚醒に導く。(遠藤 礼)

 ▽4スタンス理論 スポーツ整体師の広戸聡一氏が提唱。人間にはそれぞれ生まれ持った身体特性があり、適切な使い方は4種類あるという理論。スタンス(立ち方)は自然に重心位置が異なり、それを「爪先側(A)」「かかと側(B)」「内側(1)」「外側(2)」のA1、A2、B1、B2の4タイプに分類する。それぞれに合う体の動かし方で、最大限の力が出せるとされる。

 <虎戦士の今オフ他球団選手との合同トレ>

 ★藤浪&菅野(巨)共通の知人を介して実現。宮古島で実施。フォームの再現性をテーマに軸足の使い方など助言を受ける。

 ★伊藤将&能見(オ)坂本とともに弟子入り。沖縄で実施。直球の重要性説かれ、意識を新たに。

 ★秋山&平野佳(オ)8年連続の実施。増田(西)らと京都で。師匠から「おごらず練習している、もっと良くなる」と太鼓判。

 ★糸井&中島(巨)オリックス時代に同僚の縁。意欲を見せる一塁挑戦へ「ナカジに内野教えてもらった」とSNSで報告。

 ★井上&岡本和(巨)面識なしながら志願し、奈良で極秘の5日間。若き4番の打撃論「いろいろ教えてもらった」=同(3)。

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