広島・栗林 鉄腕へ進化見せる 山本昌氏からの“金言”受けて下半身強化に着手

[ 2022年1月14日 05:30 ]

坂道を全力で駆け上がる栗林
Photo By 代表撮影

 広島・栗林良吏投手(25)は13日、愛知県豊田市内のトヨタスポーツセンターで自主トレを公開した。通算219勝左腕で、元中日・山本昌氏(56)からの助言をきっかけに下半身強化に着手。2年連続の50試合以上登板を最低限の目標に掲げ、鉄腕襲名に向けた土台づくりをスタートさせた。

 栗林は新人王を受賞した1年目の大活躍により、12月中はテレビ出演など多忙を極めた。その期間に2年目に向けたヒントがあったという。元中日・山本昌氏とテレビ番組で共演。「下半身をけがしない投手が長生きできる」と教わった。プロ32年間、50歳まで現役を続けたレジェンド左腕の言葉だけに説得力がある。これまで本格的に取り組んだことのない下半身のウエートトレに重点を置くことに決めた。

 「下半身の強化は、野球人生で初めて取り組む。上半身の力があれば、強い球を投げられると思っていた。上半身は人並みぐらいの筋肉がついたけど、下半身はひょろひょろ。そこを鍛えたらどうなるのかな…と思った」

 12月中はノースローを貫き、下半身強化に時間を割いた。この日公開した練習では、約200メートルの坂道を全力で5本駆け上がるなど、ウエートトレだけでなくランニングも精力的に取り入れている。「下半身でバランスが取れれば制球も良くなると思う」。下半身が強くなれば故障を予防できるだけでなく、課題に挙げる制球力の向上にもつながると見ている。

 昨季は53試合に登板。セーブ王の阪神・スアレスに5セーブ差をつけられたものの、セーブ状況で一度も失敗しなかったことが誇りだ。「セーブ王を獲れたら一番いいけど、自分ではセーブ数をコントロールできない。登板数を大事にしたいと思う。セーブ状況で失敗しないことと昨季と同じ50試合以上の登板も継続したい」。2年連続での50試合登板が最低限の目標。万全で投げ続けられれば、初タイトルにも自然と近づいているだろう。

 投球は今月10日から再開。キャッチボールでは力強い球を披露するなど調整は順調に進んでいる。「9回の投手がしっかりと投げ切れば試合に勝てる。佐々岡監督に(今季の抑えに)指名していただいたので、責任感を持って、その期待に応えたい」。どれだけ登板しても、勤続疲労を心配させるつもりはない。(河合 洋介)

 《子育てにも奮闘中》 栗林は、昨年12月に生まれた第1子となる長女の子育てにも奮闘中だ。「やっぱり可愛い。病院のおかげで(出産に)立ち会うこともできた。ここからは妻と子供のために頑張りたい」。お風呂の入れ方はいまだにコツをつかめず、3時間ごとにミルクを与えて、その飲む姿に癒やされている。「キャンプに行くと、妻が1人で育てないといけない。その分練習を頑張ろうと思える」。わが子に会えなくなる春季キャンプ中の1カ月間に思いをはせた。

 【栗林と一問一答】

 ――古巣のトヨタ自動車の練習場を拠点にした理由は。
 「設備が整っているのが一番ですね。一緒に練習してくれるスタッフの方から得られる知識も多い。勉強という意味でも来ました」

 ――トヨタ自動車のテクニカルアドバイザーである元中日・吉見一起氏からの助言は。
 「具体的な話はできていないけど、トヨタでやろうと思ったのも、吉見さんがアドバイザーとしているし、投手コーチや年上の選手の方々もたくさんいるから。トヨタで2週間ほど練習するので、徐々にアドバイスをいただければと思います」

 ――吉見氏に聞いてみたいことは。
 「吉見さんといえばコントロール。制球のことを聞きたいですし、トヨタの選手はそれぞれ特徴、長所があるので、そういうところも聞いていきたい」

 ――昨季に続く防御率0点台への思いは。
 「みんなから“0点台とかセーブ失敗なしは無理だよ”と言われる。いい意味で期待を裏切って、2年連続で達成できたらいい」

 ――2年目のジンクスについては。
 「一番は受け入れないといけないと思っている。どれだけ抑えても、1、2点取られたら絶対にそう言われると思う。そういう意味では、開幕ダッシュが大事だと思っているので、去年のように開幕からしっかり結果を出せるようにやりたい」

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