野村謙二郎氏 広島・森下の最大の武器は直球 相手の研究やジンクスに惑わされず、こだわってほしい

[ 2021年10月4日 07:00 ]

セ・リーグ   広島1-4ヤクルト ( 2021年10月3日    マツダ )

スポーツニッポン評論家の野村謙二郎氏
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 【野村謙二郎 視点】森下は、昨季と今季で直球の精度に変化が生じているように見える。例えば、右打者の内角直球。昨季だと、外れても体に近い側にそれ、角度もあって打者には嫌なボールになっていた。それが今季は引っ掛けて逆球になったりする。

 この日はツーシームを投げていた。勝利から遠ざかる中で直球の精度が思うように上がらず、何かを変えようとして練習し、使ったのだろう。ジンクスが指摘される2年目。打者の対応などで研究されていると痛感しているのかもしれない。

 直球への自信が揺らぎ、変化球が多くなって悪循環に陥る投手を数多く見てきた。精度の高い変化球を持つ森下でも、内懐をえぐる球が無いまま変化球主体の投球になってしまうと、打者に踏み込まれて強くスイングされる。本人が一番よく分かっているはずだ。

 相手の研究やジンクスなどに惑わされず、フォームのバランスなどを確認してはどうだろう。ささいなことに精度を欠く原因があるかもしれない。森下の最大の武器は直球。そこにこだわり、残り試合を頑張ってほしい。(スポニチ本紙評論家)

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