日本ハム・斎藤 鎌ケ谷2軍“引退登板”で涙の三振締め

[ 2021年10月4日 05:30 ]

イースタン・リーグ   日本ハム1―6DeNA ( 2021年10月3日    鎌ケ谷 )

<日・D>6回無死 乙坂に最後の一球を投げる斎藤(撮影・久冨木 修)      
Photo By スポニチ

 リハビリや再調整で必死に汗を流した鎌ケ谷スタジアム。1日に引退を表明した日本ハム・斎藤は最後の1球を投じる前に涙を流した。1379人のファンから拍手が降り注ぐ。乙坂に2ボール2ストライクから投じたのは132キロ直球。オール直球勝負で空振り三振に斬り、2軍での「引退登板」を終えた。

 「これだけ応援してくれる人がいたんだと、改めて感じられた瞬間でした。自分の中では(鎌ケ谷に)凄く思い入れがある」

 DeNAとの今季イースタン・リーグ最終戦。出番は6回だ。背番号1がマウンドへ。投球練習が終わると一塁を守る早実の後輩・清宮から「楽しんで投げてください」と声を掛けられた。後輩は泣いていた。アマチュア時代と同様、仲間に恵まれたプロ生活。思い出がよみがえり自身もマウンドで泣いた。乙坂を打ち取ってお役御免。三塁ベンチ前でナインに出迎えられた。

 1日には「一番は体のケガ」と引退理由を語った。この日の最速は133キロ。早実時代に甲子園で見せた躍動感も早大時代に150キロを計測した球威もないが、白球に魂を込めた。「今の自分が出せる最大限のフォーシーム。悔いなく投げられました」と胸を張る。

 チケットは完売。球場には斎藤のユニホームを着用したファンが多く訪れた。「苦しんだ記憶が多い。逆にそれが、ちょっとだけ僕を大人にしてくれたのかなと思う」と笑う。

 1軍での引退試合は17日のオリックス戦。舞台は札幌ドームだ。「打者を抑えられるよう準備します」と斎藤。優勝を狙うチームを相手に真剣勝負を挑み、ユニホームを脱ぐ。(柳内 遼平)

続きを表示

この記事のフォト

2021年10月4日のニュース