オリ・杉本 千賀から初安打がライトへ弾丸V弾 「正尚が乗り移ったのかも」 主砲離脱の危機救った

[ 2021年10月4日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス3-0ソフトバンク ( 2021年10月3日    京セラD )

<オ・ソ23>2回無死、右越えに先制のソロ本塁打を放ち、三塁を回って指をさすオリックス・杉本(撮影・坂田 高浩)
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 オリックスは3日のソフトバンク戦に3―0で勝ち、連勝を7に伸ばした。吉田正尚外野手(28)が「右尺骨骨折」で今季絶望的となる中、杉本裕太郎外野手(30)が決勝の29号先制ソロを放つなどチーム一丸となって2試合連続零封勝利を飾り、貯金を今季最多14とした。2位のロッテも勝ち、ゲーム差は1・5のまま。96年以来のリーグ優勝に向け、主砲抜きで悲願を目指す。

 左打者が引っ張ったような打球だった。杉本が2回、千賀の159キロを振り抜いた一撃は本塁打王を争う柳田の頭上を越え、右翼席へ一直線。先制の29号ソロは決勝弾となった。

 「(吉田)正尚が打ったような打球。乗り移ったのかもしれません」

 チームの危機を「ラオウ」が救った。2日の試合で死球を受けた吉田正の骨折がこの日に発表され、戦線離脱。「連勝しているチームの雰囲気でなくなった」と動揺を隠せなかった。主砲が9月26日に復帰して以降、チームは5勝1分け。チームとしての底力が問われる一戦で「世紀末覇者」が「救世主伝説」への一歩を記した。

 試合前に中嶋監督から「大振りになっているからコンパクトに」と受けた助言を生かした。「力を入れずに向こうの力を利用するイメージで」剛球にも打ち負けず、通算5打数無安打だった千賀からの初安打が8試合ぶりの一発。指揮官も「(吉田正の離脱で)正直、心が折れかけた。勇気をもらった1点」と感謝した。

 4番の一発で鼓舞された打線は4回は2死からつないで安達が中前適時打。5回はバスターに犠打と小技を絡めて1死二、三塁とし宗の遊ゴロの間に3点目を奪った。中嶋監督は「一番、痛い人がいなくなったわけなので、それを補うのに何が必要か皆、分かっている」と一丸で穴を埋めた選手に目を細めた。

 「僕たちもショックだが、一番悔しいのは本人。全員で次からも勝てるように頑張る」

 青学大の後輩でもある吉田正の無念を思いやった杉本。危機を乗り越えるたびに、チームは強くなっていく。

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