エンゼルス・大谷 来季は本格三刀流!投手降板後の外野手起用増やし、打席数確保 マドン監督が起用法言及

[ 2021年10月4日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4ー6マリナーズ ( 2021年10月2日    シアトル )

<マリナーズ・エンゼルス>逆転負けし悔しさをにじませて引き揚げる大谷(撮影・沢田 明徳)
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 エンゼルスのジョー・マドン監督(67)が2日(日本時間3日)、大谷翔平投手(27)の来季起用法について言及。投打同時出場した場合、降板後の外野手起用を増やし、打席数確保を目指すプランを明かした。今季を全うした経験に基づいた「二刀流」進化型構想。加えてオフに議論される予定の「両リーグDH制」が採用されれば大谷の出場機会増は確実で、チームにとっても追い風となる。

口調は滑らかだった。マドン監督はまず、来季の大谷の二刀流継続について「何か新しく変える理由はない」と明言。その上でさらなるバージョンアップの構想を披露した。

 「降板後にもう1打席立たせたい場合、我々は以前よりも彼を守備に就かせることに抵抗がなくなるだろう」

 今季の大谷は投打同時出場した試合で4度、降板後に外野手として守備に就いた。外野出場は8回1/3で、一度も守備機会がない珍現象も、来季はより外野出場を増やすというのが指揮官の構想だ。

 試合終盤の好機に本塁打王争いを繰り広げた大谷の不在はチームにとってはマイナス。今季は降板後、外野に入った際も次打席を終えて交代するケースがほとんどだった。だが、試合終了まで外野手として出場することも視野。指揮官は「三刀流」増の条件として「意味のある試合であれば」と語った。

 さらに今オフ、選手会と大リーグ機構(MLB)により「ユニバーサルDH(両リーグDH制)」が協議される予定。来季から採用されれば、これまで代打待機を余儀なくされたDH制ではないナ・リーグ本拠での交流戦でもスタメン出場が可能となる。今季、本塁打王争いを繰り広げたペレス(ロイヤルズ)、ゲレロ、セミエン(いずれもブルージェイズ)と大谷のうち、最多の打席数はセミエンの719打席。最少が大谷の634打席だった。45本塁打の大谷は14打席で1本塁打するペース。セミエンとは85打席の差があり、単純計算した場合、同じペースなら本塁打があと6本増えることになる。

 指揮官は大谷の思いを優先して活躍を導き出した。「アスリートで言えばレブロン・ジェームズ、マイケル・ジョーダンといった選手には監視するような人を置いてはいけない。彼らは制限される必要なんてない、自由が必要だ」と、バスケット界のスーパースター2人と重ね合わせて大谷を称賛した。

 130回1/3を投げた投手としても、来季は150~160回まで見込めると指揮官。7年連続でプレーオフを逃したチームが勝利の美酒を味わうため、大谷の二刀流を進化させていく。(柳原 直之)

 ≪日本選手最多94四球≫大谷は「2番・DH」で出場し、2打数無安打2四球。10試合、45打席連続で本塁打が出なかった。

 初回に逆方向へ打ち上げたが、打球はフェンス手前で失速する左飛となった。3、4打席目は連続四球となり、これで今季94四球。09年のカブス・福留(現中日)の93四球を抜いて、日本選手のシーズン最多四球となった。3日(日本時間4日)のマ軍戦が今季最終戦。45本塁打はリーグ3位で、トップのペレス(ロイヤルズ)とは3本差のまま。1試合3本塁打は経験がなく厳しい状況になった。

 それでも大谷は「最後、いい感覚で終わるかでオフの取り組みも変わってくる」と話していた。来季につなげるための、最後の1試合も大事に戦う。

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2021年10月4日のニュース