ミスター2年ぶり視察!巨人ドラ5・秋広に「活躍手形」愛弟子ゴジラ引き合いに「プレーは劣っていない」

[ 2021年3月3日 05:30 ]

秋広(左)を手招きで呼び寄せる長嶋氏。奥は原監督(撮影・尾崎 有希)
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 巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(85)が2日、東京ドームで行われた全体練習を視察した。身長2メートルのドラフト5位・秋広優人内野手(18=二松学舎大付)を、OBで日米通算507本塁打の教え子である松井秀喜氏(46)と重ね合わせて活躍に太鼓判。チームの視察は、19年9月の公式戦観戦以来2年ぶりで、円陣では「勝つ!勝つ!勝つ!」と、1994年の「10・8決戦」でナインを鼓舞したフレーズで激励した。

 血湧き肉躍る感覚がみなぎった。打撃ケージ裏の椅子に座った長嶋氏が仰ぎ見て、手招きで呼び寄せたのは2メートルの秋広だった。高卒1年目の大型左打者。「4番1000日計画」と称して英才教育した松井氏と重なった。

 「非常に将来性が豊かだ。松井は体ができていたよ。君も体を使いなさい。打撃そのもの、プレーそのものは劣っていない」

 29年前、4球団競合の末、自身がクジを引き当てたスラッガーの姿が脳裏に浮かんだ。バットを受け取り重さを尋ね、左手を差し出して腹部を触りながら語りかけた。触れられた若手が大成するという伝説の「ミスタータッチ」。若手時代の坂本、菅野、岡本和もその手で触れてきた。

 秋広にとっては東京ドームでの初練習だった。直立不動で、時に腰を折り曲げて聞き入った。

長嶋氏が監督として最後に指揮したのが01年。02年生まれの18歳にとって現役時代を知るよしもないが、オーラに圧倒された。1月に入ったジャイアンツ寮には、王貞治氏(ソフトバンク球団会長)との写真が飾られている。「伝統ある球団のレジェンド、伝説の選手。言葉で表せないくらい凄い方。お会いしてうれしかった」と感無量だ。

 野球人としての厳しさは健在だった。横に立ち打撃練習を見る原監督に対し、選手の良い部分は称え、足りない部分は技術的指摘をした。「厳しい野球人としての目線で見られていた。師匠ですから。私自身も背筋が伸びた」。監督とヘッドコーチの間柄だった現指揮官が言ったとおり、秋広の評価もリップサービスではなかった。

 公の場に姿を現すのは、昨年1月に行われた故金田正一氏のお別れの会以来。練習前の円陣では「選手の皆さん、ご苦労さまです。今年はいいね」と話した後に「勝つ!勝つ!勝つ!」と鼓舞した。胆石の治療で18年に入院。現在も懸命のリハビリを続け闘っている。東京ドームで勝負師の炎もよみがえった。

 ノックや打撃練習を約2時間半見守った長嶋氏。秋広の身長がまだ伸びていることを聞くと「凄い。大きくなってる」とうれしそうに驚いた。ニット帽をかぶったその顔は、マスクの下で太陽のようにさんさんと輝いていた。(神田 佑)

 【過去の“長嶋タッチ”】☆坂本勇人 08年2月24日、オープン戦初戦のソフトバンク戦視察。試合前に高卒2年目の遊撃手の右肩、胸の背番号をタッチ。坂本は同年、打率.257、8本塁打、43打点でブレーク。

 ☆長野久義(現広島) 10年2月21日、打撃練習中だったドラフト1位ルーキーの左腕や胸辺りを触れ「体が強そうだな」。長野は同年、打率.288、19本塁打、52打点で新人王獲得。

 ☆菅野智之 13年2月10日、ドラフト1位の菅野のブルペン投球に熱視線を送り握手。「12、13勝はするんじゃないか」と大絶賛。菅野は同年、27試合で13勝6敗、防御率3.12でリーグ優勝に貢献。

 ☆岡本和真 16年2月13日、2年目のスラッガーの右手をつかんでテークバックを指導するなど、身ぶり手ぶりで助言。2軍で18本塁打、74打点で打点王のタイトルを獲得、18年に4番就任。

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