広島・遠藤 66日ぶり3勝目 「勝つ難しさを感じて」 前回からノーワインドアップへ変更

[ 2020年10月8日 05:30 ]

セ・リーグ   広島9-3阪神 ( 2020年10月7日    マツダスタジアム )

<広・神(19)> 広島先発・遠藤 (撮影・平嶋 理子)                                                              
Photo By スポニチ

 広島・遠藤淳志投手(21)が7日の阪神戦で8月2日の巨人戦以来、66日ぶりの3勝目を挙げた。4与四球と制球を乱し、5回100球を要しながら、3失点(自責2)と踏ん張った。開幕から先発ローテーションを守る高卒3年目。2カ月強にも及んだ長いトンネルを抜け、今季初の4連勝に貢献した。 

 踏みしめたお立ち台で「ホッとしています」と言ったのは本音だろう。勝てなかった過去8試合と同じように制球に苦しんだ。「とにかく迷惑ばかりかけた」。念願の白星をつかんだ遠藤に笑顔はなかった。

 4四球を与え、5回で100球を数えた。2回無死二、三塁で小幡の飛球を中堅・宇草が落下点に入りながら捕球できずに2点を先制され、同点に追いついた後の3回には梅野に勝ち越しの左前打を献上した。なかなかリズムをつくれない中、5回を初めて3者凡退に抑えた直後、逆転の援護を得た。

 前回9月29日の巨人戦からワインドアップを諦め、ノーワインドアップを取り入れた。高校時代はセットポジションだった。新人だった18年の日南春季キャンプでのこと。同僚から「マエケンさんに似てるね」と言われた。その一言だけで、当時の前田(現ツインズ)をまねてワインドアップにした。

 大胆に投球フォームを変更してきた。34試合に登板した昨季は、1軍同行中に「(大瀬良)大地さんを見て参考にしました」と、突然2段モーションにした。今春キャンプでは自主トレをともにしたソフトバンク・千賀のフォームに寄せた時期もあった。

 開幕してからは、かたくなに自身の投球フォームを貫いた。「何かを変えたくない頑固な部分があった。でも、思い切って何か変えないといけないな…とも思った」。そして、「捕手への目線を変えないように」とノーワインドアップへの変更を決断すると、白星が転がり込んできた。

 開幕から先発ローテーションを外れていないのは、遠藤と九里だけだ。昨オフには「1年間先発を守るなら2桁は勝ちたい」と意気込んでいた。いまだ3勝と現実は厳しい。

 「気持ちの切り替えが難しくて…。床田さんには“自分を信じて投げたらいいよ”と言っていただいた。本当に勝つ難しさを感じています」

 思い悩んだ2カ月間は、いつか貴重な財産になる。(河合 洋介)

 ▼広島・佐々岡監督 今日は勝たせてもらったというのが正直なところだと思う。甘く高めに浮く悪いクセが出た。次回は自分の力で勝てるように、頑張ってもらいたい。

続きを表示

この記事のフォト

2020年10月8日のニュース