阪神・小幡 得点圏打率.429のすげえ20歳 「前に飛ばせば何とかなる」 正遊撃手獲りに名乗り

[ 2020年10月8日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-9広島 ( 2020年10月7日    マツダスタジアム )

<神・巨(20)> 2回無死一、三塁、小幡は左中間適時二塁打を放つ (撮影・平嶋 理子)                                                              
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 阪神・小幡竜平内野手(20)が7日の広島戦に「8番・遊撃」で先発出場。2回無死二、三塁で左中間へ先制の2点二塁打を放つと、3回にも1死一、二塁から投手強襲の内野安打を放った。この日は得点圏で2打数2安打で今季通算でも21打数9安打(・429)となり、規定打席には足りていないもののセ・リーグトップのヤクルト・村上(・373)以上の勝負強さを発揮。来季の遊撃獲りへ頭角を現している。

 走者がいるときほど小幡は血が騒ぐのだろう。好機で強いのはプロ野球で生き残るのに必要な要素。落下点に追いついていた中堅・宇草のグラブに収まらず、かすめながらも先制の2点二塁打となったのも、新しいヒーロー誕生を欲する今の球界の流れなのかもしれない。

 「前に飛ばせば何とかなると思いながら打ちにいきました。先制することができて良かったです」

 2回無死二、三塁で遠藤の直球を中堅へ。力強い打球はスライスをかけながら左中間深くに切り込んでいった。3回1死一、二塁でも低めスライダーをバットの先で拾い、遠藤のグラブをはじいて内野安打。ここでも捕球されていれば併殺になる可能性もあっただけに、ファンが、そして時代が20歳の若トラを後押ししているにちがいない。

 走者のいない5回は投ゴロ、8回も遊ゴロだったが、得点圏では2打数2安打。今季の得点圏打率は・429(21打数9安打)まではね上がり、規定打席には足りていないもののセ・リーグトップのヤクルト・村上の・373以上の勝負強さを発揮している。一時は同5割を超えていたサンズが、同・355まで落ちてきており、小幡がチームの得点源になってきている。6日はプロ初の「1番」で先発して2安打。一夜明けて「8番」に戻ったが、打順はどこでも関係なかった。

 矢野監督からも「経験することが全部プラスになると思う。試合に出て、全てをこれからの糧にしてもらえればいい」と伸びしろを期待されている。新型コロナウイルスに感染したチームメートの濃厚接触者扱いとされていた木浪が自主練習を開始。復帰時期も近づいてきているが、残り27試合でもスタメン出場する可能性は高い。

 近年、阪神の遊撃ポジションは固定されていない。16年に鳥谷が先発で100試合に出場して以降、この4年間は三桁の先発出場はゼロ。ピンチの場面では率先して投手に声をかけるなど立ち居振る舞いも堂々としたものだ。来季は木浪、北條らと真っ向争える、いや逆転できる位置まで昇ってきた。 (長谷川 凡記)

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