ロッテ コロナ禍14人離脱でも勝った!井上 逆境V弾「残った人で力を合わせ」

[ 2020年10月8日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ4―1オリックス ( 2020年10月7日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>1回、右越えに先制3ランを放つ井上(撮影・長久保豊)
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 新型コロナウイルスの大量感染で揺れる2位・ロッテは7日、オリックスに快勝し、敗れた首位・ソフトバンクと1ゲーム差。初回に井上晴哉内野手(31)が右翼席に決勝の13号3ランを放った。感染や濃厚接触の特定などで離脱者が続出する中、この日は岡大海外野手(29)が濃厚接触者に追加特定され計14人が戦線を離脱。厳しい状況が続くが、チーム一丸で乗り越える。

 心を落ち着かせるには1日の猶予が必要だった。井上はチーム全体に衝撃が走った前日を、こう振り返った。

 「昨日は自分が引っ張らなきゃと思ったけど、できなかった。強く思いすぎて力が入りすぎた。一夜明けて今日こそと思った。気持ちも少し落ち着いた」

 6日に7選手の新型コロナウイルス感染が発表され、スタッフを含めて計13人がチームから離脱した。ドタバタの中で臨んだ試合も、わずか2安打で零敗。井上自身も3打数無安打で2三振だった。

 首位・ソフトバンクとの優勝争いは待ってくれない。一夜明けて「みんなが帰ってくるまで、落ちるわけにいかない」と決意した。相手先発は9打数1安打に抑えられていた左腕・アルバース。試合前に中村奨と「いつも振り遅れているから、早めにタイミングをとろう」と話し合った。

 結果はすぐに出る。初回2死一、二塁。外角136キロ直球をたたくと打球は右翼フェンスを越えた。「抜けてくれと思った。久々すぎて感触も忘れていた。チーム内でも“まだですか?”と言われていた」と苦笑い。8月21日以来、実に47日ぶりの13号先制3ランは、先行きが見えない不安に沈んでいたチームに大きな勇気を与えた。

 体重114キロの巨漢も目に見えぬ敵におびえた。「身近な人がコロナにかかるなんて、信じられなかった。(前日は)あの人も球場に来ていないな、と思った。自分もかかるかもしれない」。前日のミーティングでは「これでみんな、どうなるの?」と不安を吐露していた主砲が腹をくくり、快音を響かせた。

 この日は岡が濃厚接触者として追加され、スタメンには1番・藤原、9番・茶谷と2軍から昇格した若手が入った。大幅な戦力ダウンだが、井上は「一人一人が役割を全うすれば、このチームは強い。生き残った人で力を合わせる。2軍から来た人は自分の力を出してほしい。試合を出続けてきた人たちは見本にならないといけない」と言う。試合後のグラウンドではナイターに不慣れな緊急昇格組の若手がノックを受け必死に打球を追った。

 首位ソフトバンクが敗れ、再び1ゲーム差。「今日の1勝は大きい」。苦境は続くが、井口監督の声には力がこもった。 (横市 勇)

 ≪1軍チームスタッフ2人が濃厚接触者に追加≫7日、球団は岡と1軍チームスタッフ2人が保健所から濃厚接触者に追加特定されたと発表。岡は2日の札幌から千葉移動だった際、4日に陽性判定を受けた岩下と座席が近かった。4日のPCR検査は陰性で体調不良など症状もないが、自宅待機として出場選手登録を抹消し、三家和真外野手(27)が昇格した。またスタッフ2人は1日の札幌から千葉移動の際に4日陽性判定のスタッフと一緒に行動していた。

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