ロッテ 大量感染か コロナ禍最大の危機 優勝争い真っただ中 6日オリ戦開催方向も戦力ダウン必至

[ 2020年10月6日 05:32 ]

1日の日本ハム戦で先発した岩下(左から3人目)は4日に新型コロナウイルスの検査を受け陽性が判明
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 首位ソフトバンクと優勝を争うロッテで、新型コロナウイルスの感染が拡大していることが5日、分かった。前日に岩下大輝投手(24)とチームスタッフの計2人が陽性判定を受け、1軍の監督、コーチ、選手、スタッフ全員に対してPCR検査を実施。この日は発表されなかったが、さらに複数の感染者が出ているとみられる。6日のオリックス戦(ZOZOマリン)は予定通り開催する方向だが、戦力ダウンは必至だ。

 完全オフのZOZOマリンスタジアムには球団関係者に加え、保健所からも職員が派遣されていた。岩下の新型コロナウイルス陽性を受け、前日に井口監督をはじめ、コーチ、選手、球団職員ら1軍に関係する全70人はPCR検査を受けていた。

 一夜明け、球団は検査結果を発表する予定だったが、1日だけでは情報を整理することができなかった。きょう6日に延期した理由について球団関係者は「検査結果が出そろっていない。および、保健所への連絡、協議、判断ができていないので」と説明した。

 4日朝の検温で38・4度だった岩下は千葉市内の病院でPCR検査を受け、すぐに結果が判明した。ところが他の選手は持ち込みの検査のため、陽性判定が1度出ても、2度目の検査で陰性となる可能性もある。ただ、その場合は再検査が終わるまで時間を要する。岩下以外の感染者が複数出ていることが、発表が1日ずれ込んだ理由と考えられる。

 9月25~30日にかけて、阪神は5選手とスタッフ4人の感染を発表。ロッテも選手とスタッフを合わせ、阪神と同等かそれ以上の陽性判定を受けた可能性が高そうだ。

 チーム内の感染をこれ以上広めないため、前日に続いて球場内の消毒作業も実施。6日のオリックス戦開催も心配される中、関係者は「明日の試合に関しては、球団としてはやる方向で進めたい」と語った。万全を期すため、ロッテ浦和球場で2軍の全関係者にもPCR検査を行った。

 自宅隔離で静養に努めている岩下はこの日、「特例2020」で出場選手登録を抹消されたが、既に平熱に戻った。同様に前日感染したスタッフは発熱症状こそあるが、大事に至っていないもよう。ただ、複数の感染者による戦力ダウンは、今後の戦いに向けて大きな痛手になりかねない。

 首位ソフトバンクとは残り28試合中、9試合の対戦があり、週末の9日からは、敵地での3連戦が控えている。前日には中継ぎの山本と東妻がコンディション不良でベンチ外になった。05年以来15年ぶりのリーグ制覇に向け、正念場を迎える。

 ≪特例2020 感染者出たら柔軟入れ替え≫「感染拡大防止特例2020(通称・特例2020)」とは、感染者や濃厚接触者などが出た場合に柔軟に選手を入れ替えられるようにする今季限りの特例。感染やその疑いで出場選手登録を外れた場合は代替選手を指名できる。また、体調の回復や感染がなかったことを証明する医師の所見などがあれば、規定の10日間を待たずに再登録できる。

 ▽NPB感染予防ガイドライン(抜粋)チーム関係者に陽性事例が複数発生した場合は、管轄保健所、専門家チームおよび12球団との連絡・情報共有を特に迅速に行う。また、臨時実行委員会の招集に着手し、リーグ日程、リーグ戦継続可否等、リーグ戦全体の運営を検討する。

 ▽阪神の大量感染 9月24日に2軍の浜地がコロナ陽性判定を受け、翌25日には1軍の糸原、陽川、岩貞、馬場とスタッフら6人の感染が判明。名古屋市内で会食をともにし、濃厚接触が疑わしいと判断された選手を含む10人が出場選手登録を抹消。計19選手を緊急で入れ替え、25日ヤクルト戦は決行された。開幕後、1軍選手に陽性者が出たのは初めてで「特例2020」の適用も導入後初となった。

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