中畑清氏 シリーズ見据え最後のセ勝利監督、巨人・原監督は残り30戦をどう戦う?

[ 2020年10月6日 06:00 ]

スポニチ評論家の中畑清氏
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 【キヨシスタイル!】9月15日に38で点灯した巨人の優勝マジックが早くも20を切った。5日現在17。原監督はどうゴールインするかより日本シリーズをにらんでいるんじゃないかな。

 去年は5年ぶりのリーグ制覇を果たしながら日本シリーズ4連敗。ソフトバンクに手も足も出なかった。リベンジに懸ける思いは相当強いと思うよ。パ・リーグに勝てるチームづくり。開幕から日替わりオーダーを組んで勝ちながら最強の形を模索してきた。

 なかなか決まらなかった1、2番がここにきてようやく吉川尚、松原に落ち着いた。ともに足が速く、長打も打てる。左打者だけど左投手を苦にしない。相手にとっては嫌なコンビだよ。

 2人は守備もいい。二塁を守る吉川尚は守備範囲が広いし、ポジショニングが抜群。データだけじゃない。感性を感じるんだ。松原のライト守備もよくなっている。

 クリーンアップは坂本、岡本、丸で決まり。6番には中島、ウィーラー、大城が日替わりで入ってるけど、そろそろ大城に決めてもらいたいね。

 戸郷に炭谷、サンチェスは小林と先発投手によって捕手を使い分けてるから6番が固定できないんだけど、日本シリーズの戦いには「捕手対打線」という側面もある。大城を阿部慎之助以来の「打てる正捕手」として一本立ちさせるには絶好のチャンス。今のうちから戸郷やサンチェスも受けさせてほしい。

 巨人は順調に試合を消化すれば11月8日で全日程終了。今季のセ・リーグはCSがないから21日のシリーズ開幕まで12日空くことになる。ゲーム勘の維持が難しいけど、ものは考えよう。CSで無理をする必要がない分、じっくり調整できる。

 そういえば去年は菅野が腰痛でCSを回避。シリーズ第4戦に先発したけど、7回途中4失点で流れを食い止めることができなかった。目下開幕12連勝の絶対エースが万全の状態で第1戦に行けるとしたら去年とは全く違った戦いができる。

 セ・リーグは2012年に巨人が日本ハムを4勝2敗で破って以来、日本シリーズで勝っていないんだよね。最後のセ勝利監督、辰ちゃんが残り30試合をどう使って臨戦態勢を整えるか。楽しみだね。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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