有藤通世氏 ロッテ、作ってきた雰囲気変えないことが大事 経験豊富な福田秀がリーダーシップを

[ 2020年10月6日 21:31 ]

パ・リーグ   ロッテ0―3オリックス ( 2020年10月6日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>3回2死、高部は遊ゴロに倒れる(撮影・西川祐介)
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 【有藤通世 視点】優勝争いをしている中で、新型コロナウイルス感染によるロッテの大量離脱は痛い。大変なことになった。昇格した藤原や茶谷ら若手には「チャンス」と言いたいが、シーズン残り30試合を切って、今からは選手をお試しする余裕はない。毎試合、経験があろうとなかろうと結果を求められる厳しい戦いになってくる。

 この日「1番・左翼」で初先発した高部は、大卒新人だが春季キャンプから注目していた。2軍では打率・368と結果を出しているし、初打席の初球をフルスイングする積極性もある。ただ、オリックス先発の山本由伸は球界を代表する好投手なのだからバットを短く持つなど工夫も欲しかった。繰り返しになるが、もう打席内容を評価してもらえる時期ではない。使ってもらいたいなら結果を出すしかない。

 マーティン、井上、中村奨ら主軸が残ったとはいえ、荻野、角中、清田の不在は大きい。この日も山本の調子がよかったとはいえ、わずか2安打。あまりにも気持ちよく投げさせてしまった。ロッテは打順(個の力)で戦ってきたチームではない。打線で勝ってきたチームだ。この日も打線に荻野や角中の名前があれば、山本もあそこまで自由には投げられなかっただろう。

 ブルペン陣は7回の唐川、8回の沢村、9回の益田がいる。離脱した岩下の代役はチェン・ウェインで埋めることになるだろう。投手陣に関してはそう悲観していない。だが、点を取らなければ勝てない。毎日山本が投げる訳ではない。割り切って切り替えた方がいい。今いる打者で、どう「線」を作るか。今後の戦いはベンチワークにかかってくるだろう。

 22人のメンバーが入れ替わったが、チームが変わったのでない。これまで勝ってきたことを忘れてはいけない。ベンチでも積極的に声を出すなど、今まで作ってきた雰囲気を変えないことが大事だ。その意味で声も出るし、ソフトバンクでの優勝経験も豊富な福田秀にリーダーシップを取ってもらいたい。(スポニチ本紙評論家)

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