広島・大盛 プロ2年目で初の猛打賞 菊池涼絶賛の快足でも魅せた

[ 2020年9月10日 05:30 ]

セ・リーグ   広島10-10ヤクルト ( 2020年9月9日    マツダスタジアム )

<広・ヤ(10)>5回2死、大盛は投前内野安打を放つ (撮影・奥 調)
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 広島・大盛穂外野手(24)がプロ2度目の先発出場だった9日のヤクルト戦でプロ初の猛打賞を記録した。「1番・中堅」の起用に応える3安打に加え、2回には菊池涼の左翼線への二塁打で一塁から一気に生還する好走塁でもアピールした。最大7点差を守り切れずに8度目の引き分け。赤ヘルに吹く新風を希望にしたい。

 グラウンドを駆け回る躍動感に心が躍る。「1番・中堅」で3日の中日戦以来、2度目の先発出場。大盛は両軍10得点ずつを奪い合った激闘に自らの魅力を詰め込んだ。

 まずは、50メートル6秒0の俊足で驚かせた。2回2死一、二塁、山中の初球のスライダーを右前に運んで満塁。そして、続く菊池涼の左翼線への二塁打で一塁から一気に生還した。相手守備に乱れはなくとも、間一髪で本塁に滑り込んだ。

 「レフト線に抜けるのが見えたので、絶対にいけると確信があった」

 チーム随一の走力を持つ菊池涼でさえも、「大盛がよく走ってくれた」と驚いた加速力。好走塁には、昨季にチームメートとして2軍で汗を流し、今季から担当コーチとなった赤松2軍外野守備走塁コーチから植え付けられた姿勢がある。「怖くても走らないと失敗もないよ。失敗すれば、次の課題として取り組もう」。5回には一塁走者としてけん制での悪送球を誘って二進。7回に狙った二盗は失敗して初盗塁は持ち越しとなっても、全てが貴重な経験である。

 打っても俊足が生きる。5回には、投手・星の前に転がる当たりの弱いゴロを内野安打とした。7回にはマクガフから左前打を放って初の3安打。「ガムシャラにやった結果がボテボテでも安打につながったと思う」。同点の9回2死二、三塁では見逃し三振。「気持ちで負けた」と悔しがった。打率・345に上昇させアピールには成功した。

 「まずは直球に負けないように意識している。変化球は空振りしても仕方ないぐらいの割り切りがいい結果につながっている」

 コンディション不良で離脱する西川は、いまだ本格的な練習を再開していない。野間は2軍で再調整中とあって期待は高まる。育成出身の大卒2年目。このひたむきさが、低迷する赤ヘルを活気づかせる。(河合 洋介)

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