オリ吉田正 イチロー超え24戦連続安打!マルチ弾で猛打賞「ベストを尽くしていけるところまで」

[ 2020年9月7日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス9-6楽天 ( 2020年9月6日    楽天生命パーク )

<楽・オ>8回1死一、二塁、右越え3ランを放つオリックス・吉田正(撮影・尾崎 有希)
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 オリックスの吉田正尚外野手(27)が6日の楽天戦で新人だった16年から5年連続2桁本塁打となる10号2ラン&11号3ランを含む3安打を放ち、24試合連続安打へ伸ばした。94年に2度記録したイチロー(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)の23試合を超え、打率・379は両リーグトップ。00年のイチローが残したリーグ最高打率・387の更新も見えてきた。

 8月11日のソフトバンク戦から1カ月近くが過ぎても、快音は鳴りやまない。吉田正がイチローさえも成し得なかった境地に到達した。

 「どんな状態でもヒットのランプが付くことは、うれしいです」

 振り返ったのは初回2死。カウント1―1からの3球目、福井の外角フォークを引っかけた二塁左へのゴロに全力疾走して内野安打をもぎ取った。23試合で並んでいたレジェンドを抜き去り、球団記録でパ・リーグ記録でもある71年長池徳二(阪急)の32試合まであと「8」とした。

 昨年3月21日。電話越しに「えっ!」と絶句した。イチロー氏が現役引退を決断したとの一報を伝えた時の反応だった。改めて、どういう存在か?と尋ねると、数十秒ほど沈黙してから「僕なんかがイチローさんを語るのは、おこがましいです…」と絞り出した。日米通算4367安打など歴史的な記録を残した憧れの存在。その大先輩の引き際に言葉が詰まった。

 稀代の安打製造器を越える節目を、代名詞のフルスイングで飾った。0―3の3回無死一塁では福井の外角143キロ直球を中堅右へ突き刺し、6―4の8回1死一、二塁では宋家豪ソンチャーホウの初球内角スライダーを右翼席中段へ放り込んだ。

 昨年7月26日ソフトバンク戦以来の1試合2発で計5打点。「続けられるのも最初(の1本)があったから。20本を目指してやっていけたら」と次の大台を見据えた。

 全68試合に出場し、打率・379で初の打撃タイトルを視界に捉える。プロ野球最高は86年バース(阪神)の同・389、パ・リーグ記録は00年イチローの同・387。記録更新、その先にある前人未到の4割打者誕生の期待も膨らむ。「ベストを尽くしていけるところまで。好球必打でいければ」。そのバットは止まりそうにない。(湯澤 涼)

 《プロ記録「33」》○…吉田正(オ)が8月11日ソフトバンク戦から24試合連続安打。94年にイチローが2度マークした23試合連続を抜き、チームでは03年塩谷と並ぶ4位タイに浮上した(プロ野球記録は79年広島・高橋慶の33試合、パ・リーグ記録は71年阪急・長池の32試合)。吉田正の期間中成績は83打数38安打、打率・458。連続試合安打開始前の・338から・379まで打率を引き上げた。シーズン最高打率は86年バース(神)の・389。パ・リーグ記録は00年イチロー(オ)の・387となっており、こちらの記録挑戦にも注目となっている。

 《三振率もイチ超え》 ○…吉田正は今季まだ16三振で、両リーグ規定打席以上の打者では最少。三振÷打席数で算出する三振率は・055。97年に216打席連続無三振のプロ野球記録を作ったイチロー(オ)でも自己最少三振率は同年の・059で、この数字を下回っている。

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