国学院栃木の1メートル91右腕・シャピロ 合同練習会で6人4K斬り!10.26へ魂の18球

[ 2020年9月7日 05:30 ]

プロ志望高校生合同練習会のシート打撃に登板する国学院栃木・シャピロ(撮影・沢田 明徳)
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 プロ野球選手を目指す高校3年生による「プロ志望高校生合同練習会」は6日、東日本会場の東京ドームで2日目が行われた。国学院栃木の1メートル91の右腕・シャピロ一郎投手(3年)はシー ト打撃で打者6人を相手に無安打、4 奪三振。自己最速を1キロ更新する14 7キロをマークし、プロのスカウト陣に アピールした。8月の甲子園を合わせ た4日間の日程が終了し、計118選手が参加。ド ラフト会議は10月26日に開催される。

 最高の自分の姿を見せる。誰もが簡単にできるわけではない。でも、シャピロはこの舞台に懸ける思いと、プロへの憧れが原動力となっていた。

 「腕を振って右打者の対角線に投げることを意識した。しっかりアピールできた」

 2人目の打者・片山隼一(埼玉栄)への初球だ。スピードガンの数字は「147キロ」を計測した。これまでの記録を1キロ上回る自己最速。直球で押し、147キロは計4球マークした。しかも直球13球のうち11球が140キロ台後半。延べ打者6人と対戦し、4奪三振1四球に左飛と圧巻の投球だ。東京ドーム特有の硬く、傾斜のあるマウンドも「下半身に力が入ってプラスになった」と話し、適応能力の高さも示した。

 1メートル91、93キロの大型右腕。角度と球威のあるボールに、スカウト陣もうなった。「非常に目立った。特長があるし、指にかかったボールに力がある。とにかく体つきが素晴らしい」。巨人・榑松伸介スカウト部次長が言うように絶賛の嵐。最高のアピールとなった。

 中学時代から目標だったプロ。でも、急激に身長が伸びたことに伴う成長痛もあり、今春まで公式戦登板は一度もなかった。今夏の栃木県の代替大会もチームは2試合だけ。ただ、その2試合では足りない。「僕は実績が乏しい。この練習会に出る以外に選択肢はないと思っていた」。米国出身でNHK国際放送の大相撲解説などを務める相撲ジャーナリストの父・デービッドさんにも励まされ、全てを懸けた東京ドームのマウンドで最高の自分を表現した。

 夢への大きな一歩。魂の投球を見せたシャピロは、静かに運命の「10・26」を待つ。(秋村 誠人)

 ◆シャピロ 一郎(しゃぴろ・いちろう)2003年(平15)3月18日生まれ、東京都出身の17歳。小3から野球を始める。国学院栃木では、今夏の代替大会で公式戦初登板。持ち球はカーブ、スライダー、カットボール、フォーク。ミドルネームは「マシュー」。1メートル91、93キロ。右投げ右打ち。

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