元カージナルスのルー・ブロック氏死去 81歳 盗塁王8回 アニメ「巨人の星」にも登場

[ 2020年9月7日 10:05 ]

81歳で亡くなったルー・ブロック氏(AP)
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 大リーグ元カージナルスの左翼手で、盗塁王に8回輝いたレジェンド、ルー・ブロック氏が6日に死去。長年にわたって代理人を務めていたディック・ジッツマン氏が明らかにしたもので81歳だった。死因は明らかにされていないが、AP通信によればブロック氏は糖尿病ですでに脚を失っており、2017年にはがんと診断されていた。

 9人きょうだいの7番目としてアーカンソー州エルドラドで生まれたブロック氏は1961年、カブスでメジャー・デビュー。181センチ、77キロとサイズには恵まれていなかったが俊足を生かして活躍した。1964年にミズーリ州セントルイスを本拠にしているカージナルスにトレードで移籍。ここから“ランニング・レッドバード”と言われるように盗塁で人気を集めた。

 1967年には159試合の出場で当時のメジャー記録となる113盗塁を記録。この記録はリッキー・ヘンダーソンが1982年(当時アスレチックス)に130盗塁をマークするまで破られなかった。日本の人気アニメ「巨人の星」でも1969年の第88話に登場。通算ではメジャー19年で2616試合に出場して歴代23位の3023安打を放ち、打率・293、149本塁打、900打点という成績を残した。

 盗塁は通算938でこれはヘンダーソン(1406)に次いで歴代2位。ワールドシリーズでは2度(1964、67年)優勝に貢献した。タイガースに3勝4敗で敗れた1968年を含めてワールドシリーズの全21試合では打率・391、16打点、4本塁打、14盗塁という素晴らしい活躍を見せた。

 メジャー19年目となった1979年、120試合で打率・304をマークしながら引退を表明。盗塁王は8回で球宴には6回出場。背番号20は永久欠番となり、1985年に殿堂入りを果たしていた。

 ブロック氏は高校時代まで本格的に野球はやっていなかったが、学業の奨学金をもらって進学したサザン大(ルイジアナ州)での最初の学期で成績が思わしくなく、その奨学金を取り消されそうになったので、スポーツ選手としての奨学金を得るために野球に取り組んだ経緯があった。私生活では3度結婚して3人の子どもをもうけ、そのうちの1人、ルー・ブロックJR(56)は、NFLのチャージャーズなどに在籍した180センチ、79キロのコーナーバックだった。

 大リーグでは元メッツで通算311勝を挙げたトム・シーバー氏が8月31日に75歳で他界したばかり。ブロック氏はそのシーバー氏とは157回対戦していた。

 なおこの日、シカゴのリグレーフィールドで行われたカブス対カージナルス戦では、どちらもルー氏の所属球団ということもあって試合前に黙とうがささげられた。 

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