中日・福谷 悔し涙の勝利投手 初完封目前の8回2死で降板「完投いけると思ったので」

[ 2020年9月4日 05:30 ]

セ・リーグ   中日6-0広島 ( 2020年9月3日    ナゴヤドーム )

<中・広(15)>8回2死一、二塁、無失点ながら無念の降板となり、泣きながらベンチに戻る福谷(撮影・椎名 航)
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 好投を続けた投手の姿ではなかった。6―0の8回1死一、二塁、中日の先発・福谷は鈴木誠を空振り三振に仕留めたところで降板。交代を告げられると、涙でゆがんだ顔を帽子で隠した。

 「悔しかったのが一番。今日こそ完投がいけると思ったので、純粋にそれが折れてしまった悔しさです」

 7回まで広島打線を散発5安打無失点。プロ初完投どころか、初完封さえ見えてきた。

 だが、8回1死から連打を浴び、鈴木誠へ4球目を投げた直後に与田監督がトレーナーとともにマウンドへ。鈴木誠を打ち取ったのを見届け「フォームが明らかにおかしくなっていた。力が入りずらいと言っていたので、交代せざるを得なかった」とコンディション不良による交代だったと説明した。

 昨季、先発転向した右腕にとって、8回のマウンドはこの日が初めて。さらにプロ初安打、初適時打と2安打を放ち、慣れない走塁も体への負担となった。「普段より球数以上に疲れがあった。まだ力不足」と試合後は冷静に振り返った。

 それでも終わってみれば7回2/3を7安打無失点で3勝目。本拠地・ナゴヤドームでは17年5月26日以来、1196日ぶりに白星を手にした。負ければ5位転落の危機を防ぎ、チームを3カードぶりの勝ち越しに導いた右腕は「次こそ完投、完封できるよう練習したい」。流した涙は必ず力となる。(徳原 麗奈)

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