関本賢太郎氏 阪神・木浪は“安全”取らず勝負の併殺完成 好判断で勝利呼び込んだ

[ 2020年9月4日 07:10 ]

セ・リーグ   阪神4-3ヤクルト ( 2020年9月3日    甲子園 )

<神・ヤ(15)>   6回を投げ終え、木浪(右)とグラブタッチする青柳   (撮影・成瀬 徹) 
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 【関本賢太郎 視点】木浪の好判断が、勝利を呼び込みました。同点の6回1死一、三塁。内野の守備陣形は二塁での併殺狙いよりも、やや前でした。打者・塩見が放った打球の弾み方、木浪の捕り方は、おあつらえ向きのバックホーム。私も瞬時に本塁送球を予想しましたが、木浪の判断は違いました。難しい角度にもかかわらず、二塁へジャンピングスロー気味にストライク送球。間一髪のタイミングで見事に併殺を完成させたのです。

 併殺を狙うのであれば、100%の確率が求められる場面です。90%であれば勝ち越しの1点を与えてしまいます。ましてや、塩見は右打者ながら俊足で、4回の第2打席では4―6―3の併殺を取り損ねていました。野手心理からしても“安全”を取りたくなるところでの勝負。今季は三遊間の打球処理をはじめ守備力の向上が顕著ですが、判断力を含め今季の全てを凝縮したような好守でした。

 やや活発さを欠く打線において、楽しみなのは糸井の復調です。3打数1安打1四球でしたが、中飛と右飛はいずれもバットとボールの“食いつき”が良いものでした。技術的には右の壁がしっかりとキープできているからで、本来の姿。4日に対戦する戸郷に対しても、良い内容が期待できそうです。 (本紙評論家)

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